おはようございます。古関です。
昨日、電子書籍のスクール生から原稿が送られたきました。
子どもが成人して、ひと区切りついた女性が、
子育てについてまとめた原稿です。
これが、すばらしい出来栄えで、ビックリしました。
子育てをしたことがない私でも、
読んでいるうちにぐいぐいと引き込まれ、
自然と涙が出てきました。
涙が出てくるというのは、
私の心のなにかに響いているのだと思います。
正直、この著者さんは文章を書く
トレーニングはしたことがないようです。
なので、表記上のルールや文法など、
直さないといけない箇所は多々ありましした。
それでも人の心を打つようなエッセイが書ける。
そのからくりを、簡単に解説していきます。
1、人々が求めているものは?
本を読むのはもちろん、映画やテレビドラマを見たり、
他人のブログやSNSの投稿を見たり、
今はさまざまな形で「他人の人生」「生き方」に触れることができます。
そして、そういったストーリーは多くの人に好まれています。
なぜ多くの人が、「他人の人生」や「生き方」に興味を示すのか。
そこに、人間が根本的に求めている欲求があるのですね。
時代が変わっても、常にそういったドラマは人気があります。
それは、人が求めている欲求も変わらないからです。
では、それはなにか。
「自分と同じ人がいることを知るため」
そして、
「自分のオリジナリティを知るため」
です。
人は、他人と自分との違いに苦しむことがあります。
人と違うということは、「孤独」を感じるからです。
孤独は、人間にとって大きな障害です。
孤独感が強い人ほど、生きていくのがたいへんになります。
そして、現代の希薄化した人間同士のつながりのなかで、
その孤独を埋めようとする。
でも、どうやって埋めればいいのかわからない。
そこで、自然と、身近にあるドラマやストーリーに、
自分と同じ要素を探してしまうのです。
ドラマに出てくる登場人物に、
自分と同じ要素を見つけると、その人物に共感します。
共感するということは、「相手を理解する」ことなのですが、
相手を理解しているようで、実際は、
「自分が理解された」
「自分の気持ちをわかってくれる人がいる」
という感情を持っているのですね。
要するに、「救われた」わけです。
どんな人の、どういう要素に共感するのかは、人によって違います。
なので、ドラマや小説などには、たくさんのキャラクターを入れて、
共感ポイントをできるかぎりたくさん仕掛けていきます。
私たちがブログやSNSへの投稿をするときにも、反応を伸ばしたいときは、
できるかぎり共感されるポイントをたくさん仕掛けていくことが、
テクニックの一つです。
そして、もうひとつの理由。それはこれと真逆です。
「自分のオリジナリティがわかる」こと。
つまり、「自分らしさ」とか、「自分の個性」「魅力」「特徴」を知ることです。
人は、他人と自分との違いで苦しむことがあると書きました。
しかし、他人とまったく同じであっても、ダメなのですね。
「自分らしさ」が必要です。
そうでないと、自分の存在価値がわからず、これも苦しむことになります。
ただ、日本人は場の空気を読んだり、周りに合わせることが得意で、
気づかないうちに、そういうことをするように躾けられています。
大人になってもその癖が抜けず、
必要以上に周りに気を使ったり、場に同調しようとします。
でも、正直、それはたいへん疲れることなのです。
どんな人にも自分の考えがありますし、
自分の感じ方がありますし、やりたいこともあるからです。
他人といるときに、どうしても「自分」、
つまり「我」が人とぶつかってしまうのです。
「私を認めてほしい」
「私の話を聞いてほしい」
「私を愛してほしい」
人は常にそう思っています。
「その他大勢」のような扱いをされると悲しくなるわけですね。
大勢のなかにいても、「個」が大切なのです。
そして、他人を見ることで、
自分の「個性」を知ることができます。
他人を知ることで、自分との違いを知ることができ、
自分の存在価値を測ることができるのです。
人って本当におもしろいですよね。
独りはさみしい
でも、特別じゃないとダメ
とても矛盾した生き物です。
その矛盾をわかっているからこそ、人は社会のなかでそれらを隠しつつ、
うまく適合して生きていこうとします。
でも、社会に合わせてばかりでは息苦しい。
そこで、本やドラマなどの世界で、
息苦しさから解放される場を見つけるわけです。
そして、自分と同じ感覚を持ったキャラクターを見ると、
心が震えて、涙が出るようです。
共感するポイントってなに?
子育てをしたことがない私が、なぜ子育てについて
まとめたストーリーに感動するのでしょうか。
それは、子育てをする母であっても、
その人は「一人の女性」であり、「一人の人間」であるからです。
多くの女性は、自分の母親との関係に悩む時期がります。
これは発達心理学上、ごく自然なことのようです。
母親との関係のなかで、悩み苦しみます。
でも、うまく解決できないまま、大人になって、パートナーができます。
すると、今度はパートナーとの関係で悩みます。
そして、時間が経って、子どもを授かると、
今度は母として子どもとの関係に悩みます。
その他にも、自分の社会的な存在について悩みます。
家庭の中で育児や家事をしていると、
社会との接点が少なくなってしまいます。
すると、社会からはじき出されたような、
取り残されたような感覚を持ったり、
同年代の女性がキャリアを積んでいくのを見て、
悲しくなることもあります。
だからといって、仕事をバリバリこなそうとすると、
家族に対しての罪悪感や、女性として薄情だとか、
母性が欠けていると思われているのではないかと、
世間の目が気になるのです。
こういった悩みは、
結婚した人でも、まだ結婚していない人でも、
出産した人でも、まだ出産していない人でも、
キャリア志向の強い人でも、家庭的な人でも、
女性なら誰もが抱える悩みなのです。
冒頭で紹介した著者さんは、その悩みについて、
自分の心の動きを的確にとらえて、
母親との摩擦、夫とのやりとり、思い通りにならない育児について、
どういう場面でどのような衝突が起きているのか、
どういうことが原因で、その摩擦やすれ違いが起きているのか、
そして、自分の仕事や自分のあり方について、
どうしたいと思っているのかを、見事に描いていました。
そこに共感のポイントがあるのですね。
他人と自分との違い
他人と自分の共通点
その両方をとらえながらストーリーを書いていけると、
多くの方に共感される作品になります。
