毎日続く、打合せと制作作業に、頭が煙を吹いています。
昨日は、けっこう込み入った話題になってしまったので、
今日はちょっと軽い話にしましょう。
自分を表す言葉ってなに!?
うちの出版社は、大手出版社のように何部売れたかを競う事業モデルではなく、
著者となる人が、自分の思いを本に打ち込み、自分らしさを表現できたか、
その度合いで成功を測りたいと考えていました。
心のなかに、うまく言葉にできていないことがあるなら、
あるいは、人に誤解されるのを恐れて、引っ込めてしまっている思いがあるなら、
それを、満足のいく形で、外へ吐き出してみよう。
その手段のひとつになりたいと思っています。
なぜそこにこだわったのか。
それは、自分の本心や個性を、ありのままに見せられないことが、
どれだけ苦しいことかを、身を持って体験してきたからです。
子どものころは、親をはじめ、強い大人たちのいいなりにならざるをえません。
自分で生きていく力がないから、逃げだしたくても、逃げる場所さえないのです。
早く大人になりたい。
早く自分の好きなことをやりたい。
そう思いながら大人になったところで、じゃあすぐに実現できるかというと、
そうはいきません。
いつも人の顔色をうかがい、相手の機嫌を損ねないように
自分の本心や個性を殺して生きてきた人間が、
社会に出たから好きにしていいよ、と言われても、簡単にはできないのです。
自分らしく生きるってどういうこと?
個性ってなに?
そして、目に見えない社会の常識、風習、人の目。
それらをはね飛ばして、自分の個性を発揮するなんて、
どうやったらいいか、わかるはずもありません。
そうして、生きていくために、また社会のシステムに従っていくのです。
会社に通い、社会のルールを守り、人と同調しようとする。
頼まれてもいないのに、無意識的にそうしてしまうのは、それ以外の生き方を知らないからです。
こんなはずじゃない、こんなのいやだともがきながらも、他人が敷いたレールの上を、走り続けるしかありませんでした。
そして、私は32歳の時に、限界を迎えます。
くも膜下出血でした。
発症した瞬間に、すべてを失いました。
仕事も、健康も、自由な時間も、将来の希望も、そして親や社会からの期待も。
すべてから解放されたのです。
一命をとりとめ、大した後遺症も残らずに、退院した直後に、
ひと筋の光が、目の前に降りてきます。
それが、「物を書くこと」でした。
45日間の入院と、2度の開頭手術のせいで、歩きまわる体力も残っていなかった私が、唯一できたのが、本を読むことと、物を書くことです。
時間だけは自由に使えたので、自分と向き合い、過去を振り返り、
「自分は何者なのか」「なんのために生きるのか」「生きるとはどういうことか」
そんなことを考え続けました。
本格的に物を書く訓練を始めたときも、自分を表現する手段はこれしかないと思っていました。
それは、私にとって、生きる理由そのものだったのです。
なにを表現したいのかはわからなくても、講師から出されたテーマに従って、心の思うままに、書き表していったのです。
それを他人に読んでもらうことによって、自分の考えに、どんな癖や偏見があったのかも、客観的に知ることができました。
訓練を始めて1年ほど経ったころ、テリー伊藤さんのはからいで、本を書く機会をいただきました。
その執筆のなかで、書くのがもっとも難しかったのは、自分のプロフィールです。
自分を書き表す……。
当時、仕事はリハビリを兼ねたパートタイム。
それ以外になにをしていたわけでもありません。
自分自身を表す言葉が思い浮かばなかったのです。
何日も考えぬいた挙げ句に出てきたのは、「私の人生のテーマ」でした。
それに対する私の答えは、「自我の解放」です。
病気でゼロになった私が、それでもなお握りしめていたもの。
「自我を解放」することこそが、私の生きる理由だったのです。
そのあとも、私は物を書く訓練を続けました。
数年が経ち、出版社を立ち上げるチャンスが舞い降りたとき、
私は迷わずそれを掴みとりました。
なにがあっても絶対に手放しませんでした。
会社を立ち上げたことによって、私は自分の言葉を、自由に発信する手段を手に入れたのです。
この時期は、書くことをお金に換えていく時期でした。
会社の設立から、もうすぐ5年。
今またひとつの転機を迎えています。
具体的な事業内容は、これから固まっていきますが、
テーマは同じです。
自我を解放すること。
それを表現すること。
生まれながらに持っている能力や個性。
消しても消しても、心にわき上がってくる思い。
寝食を忘れて、夢中になってしまう物事。
こういった、心の底から自分自身を突き動かす原動力。
そして、生まれたその瞬間に持っていた無限の可能性。
これを1ミリも減らすことなく、命が消えるまで燃やし続けたいのです。
と同時に、同じように個を押し殺して苦しむ人たちを救いたい。
自分自身を解放していいんだよ。
自由に表現していいんだよ。
あなたには、無限の可能性があるんだよ。
そのやり方はすべてここに揃っているよ。
そんな事業を作りたいのです。
私はこれまで、自分が強くなって、会社を成長させていくことが、
著者さんやお客様のためになると考えていました。
しかし、これはものすごく傲慢な考えで、
自分が傲り高ぶっていたことを、思いしりました。
会社を成長させるということは、
自分が強くなることではなく、
弱さを知り、声を伝える手段を持たない人に寄り添うことだと気がついたのです。
そして、うまく言葉にできないその人の声を、
一番いい形にして、世の中に伝えていくこと。
それが私の使命です。
本来、マスコミにはそういう役割があったはずです。
もがいていた私に、道の途中でチャンスをくれた、
テリー伊藤さん、物書きを教えてくれた師匠、
いまの会社の経営をサポートしてくれた先輩、
みんな同業者です。
そして、これから自分の使命を果たしていくためには、
さらなる文章力、編集力が必要です。
言葉を社会に届けるためのスキルも必要です。
会社を経営するスキルも必要、
人の能力を引き出していくスキルも必要です。
身につけなければならないことが、山のようにあります。
しかし、そのひとつひとつを習得することに、
自分の命を使えるとしたら、それは私にとってこのうえない歓びでもあります。
なので、どうかあなたも、
心に湧く思いに蓋をしないでください。
生まれ持った個性を無下にしないでください。
無限の可能性を自ら切り捨てないでください。
そして、もし機会があったら、
私とあなた、互いの人生を肴に
一杯、酌み交わしましょう。
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