■三々九度の杯
〈三々九度の杯>は、〈神謡曲『高砂』前結婚式〉の場合と同様の作法で行なわれますが、神前結婚式の場合とちがって、その杯事のあいだ、別室、または末席にひかえた謡師-謡師のいない場合は、伸人によって、謡曲『高砂』の婦節が謡われます。
『高砂』は、世阿弥の作で、九州阿蘇の神主友成が都へ上るとちゅう、播摩(兵庫県)の高砂の海岸にたちより相生いの松の精である尉(老人)と姥(老女)とに会って、古今の松の神秘を聞かされるというめでたい曲で、祝言では、そのなかの一節などが歌われます。
■親子・親族固めの杯
〈三三九度の杯〉が終わると、仲人は、めでたく、夫婦固めの杯を終えたことを宣し、新郎・新婦は、いったん、別室にさがります。
そのあいだに、残った家族・親族は、〈親子・親族固めの杯〉のために、席を変えます。
その席順は、地方によって、違いますが、一例をあげると、新婦側が上座に、父・母・伯父・伯母・叔父・叔母・兄・妹の順に
並び、新郎側は、これと向かいあって、下座に、同じ順で並びます。
そして、新郎と新婦は、新郎側の末席-妹(または弟)の次に並んですわり、仲人夫妻と男蝶・女蝶は、正面に向かって、末座に、右から、男蝶・仲人・仲人・夫人・女蝶の順にすわります。
親子・親族固めの杯の交わし方も、地方によって、違いますが、いまは、それぞれの杯に、男蝶・女蝶が酌をしてまわり、ぜんぶ、酌を終わったところで、仲人が、一場の祝辞をぺ、その音頭で「おめでとうございます」、と乾杯するところが多いようです。