夜の街 こんばんはぁ、門倉と申します。




けふは、川端康成の初期の作品『禽獣(きんじゅう)』の読書記録です。




短編なのですが、内容は複雑というかストーリー性はなくて、しかも超ヘヴィショック!





主人公は、40歳近い独身男性。名前は最後まで出てきませんでした。名無しの権兵衛(ごんのひょうえ)ですわ。



女中と2人で典雅な暮らしをしています。




彼は人間嫌いで、人間嫌いである自分自身をも嫌悪していますガーン。「好きで人間嫌いになったわけぢゃあないけれど、こんなおれっち自身が嫌い」みたいな。。。むっ





そして、本来人間に向かうべき愛情をひたすら(禽獣=ペット)に注いでいます。彼は小鳥や犬をこよなく愛しているのですわんわんにゃーカメヒヨコうお座クマノミカエルとかげ





しかし、この人の動物愛玩の心理はよくわからないところがあって、自分の気に入らない小鳥は簡単に殺してしまったり、死んでも平気でそのまま放っておいたりする冷酷な一面があるのです叫び。また、雑種犬など自分の美の基準に合わない動物は決して飼おうとはしません。





最後に、かつて主人公が舞踊家の千代子という女性と心中をしようとした事実が明らかになりますが(結局、心中はしませんでした)、主人公はこの女性に対しても、動物に対するのと全く同じような愛情と冷酷が入り混じった複雑な感情を持っているのですガーン




『禽獣』には、全体的になんだか心にぽっかりと大きな穴が開いた「虚無感」のようなものが漂っていました。






伊豆の踊子 (新潮文庫)/新潮社
¥380
Amazon.co.jp





BRICs経済研究所 代表 門倉貴史






じゃあのパー