やや欠け月 こんばんは、門倉と申します。


me、連日のメラメラ猛暑メラメラでつらいっす汗



さて、久しぶりに読書日記ですニコニコ



『清潔で、とても明るいところ』(A Clean, Well-Lighted Place



 キー・ウエスト時代のヘミングウェイの短編。


ヘミングウェイの作品は、余計な要素をすべてそぎ落とし、淡々としたミニマリズムの文体で綴られているので好きです。


ひとつの文章がダラダラ長いと、読む気がなくなってしまうんですよね(マルセル・プルーストは別ですけど)。


 ただ、表現があまりにも簡潔すぎて、会話が登場人物のうちの誰の発言だかイマイチよくわかんないところもあるのですが・・・


 この『清潔で、とても明るいところ』では、底なしの「虚無」や「絶望」の怖さが強調されています。とても短い話ですが含蓄があります。


最後のほうに出てくる年上のウェイターのセリフがとても印象的でした。


『・・・自分は何を恐れているのだろう?いや、不安とか恐怖が自分をむしばんでいるのではない。よく知っている、無、というやつなのだ、おれにとりついているのは。この世はすべて、無、であって、人間もまた、無、なんだ。要するにそれだけのことだから、光、がありさえすればいい。・・・・』(高見浩訳)


 「無」には「ナダ(NADA)」というルビが振ってあります。


夜は早く寝たいぜ得意げ」と考える若いウエイターよりも、「夜は遅くまでカフェにいたいぜえっ」と考える年上のウェイターの考え方に、meは共感したのであった。


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BRICs経済研究所 代表 門倉貴史