勉強方法を考える(17) | どうしてそうなる 英文法&イディオム

勉強方法を考える(17)

単語集の中には、数え切れないほどの訳語が書かれているものもある。
あれ、どうしろっていうんですかね。

今確認したら、訳語が5個~7個もある。
ちょっと頭の悪い院生でも、辞書から訳語をコピペするだけなら誰でもできる。
それが全部赤字に印刷されてる。赤のシートまで付属して。
「これを全部言えるようにしろ」ってことなんですかね、えっ?著者の人!

中には訳語をいくつも載せていて、最初の1つだけ赤字になっているものもある。
でも、それが最も重要な訳語かどうかの吟味はしていないようだ。
コピペしてきたいくつもの訳語の中で、たまたま最初にあったからそれを赤にした。
それだけ、としか思えないものもある。

単語集というのは辞書とは違う。
単語集は「単語を覚えるためのもの」だ。
だから訳語が5個も7個も載っていたら、覚えきれるものではない。
だからそんなに沢山の訳語を入れてはいけない、と私は思う。
一番重要な訳語を赤字にするのだったら、キチンと吟味してからにするべきだ。
適当に「最初にあったから赤にする」という姿勢ではいけない。

その意味で「しけ単」は、森先生が自ら訳語を書いた本だ。
この本は「一語に1つの訳語」を目標にしている。
人間は「類推」という能力がある。
だから1つの基本的な訳語を覚えておけば、「類推」によって文意をとらえられるのだ。

そしてどのような訳語にしたらよいかの吟味がキチンとできている。
これは類推だが、森先生自身が記憶している訳語を載せたのではないだろうか。
そういう本と、院生が辞書の記述を適当にコピペしてきた本と、どちらが優れているかは言うまでもないだろう。

新しい語の追加が全く出来ていないから、そこは自分で補うという考えで「しけ単」を覚えるのもいいかもしれない。
「訳語は1つ」が原則だが、2個・3個のことも時々はあるから、その時は全部言えるようになる、という姿勢で。
特に早稲田は難しい単語がバンバンでるから、早稲田志望の人にはお勧めだ。