【つづき】

その友人の名前は小杉。

小杉といえば、ケイン・コスギだろうってシンプル過ぎるチョイスであだ名が決定。

大学の仲間達はケインと呼んいた。

ツイッターでは『地獄風景』という名前で5分に1回くらい、もしくはもっと早いのペースで、呼吸するかのように呟いてる奴だったから、急に呟きが止まったら、見てる人は心配するかなと思い、今回の事故の件と含めて、お知らせさせていただいた。

そしたら、思いの他、問い合わせが多く、意外に有名人だった事にビックリ。

もっとビックリ…というか、驚きも含めて素敵だなーって思ったのは、彼の葬式。

「しんみりやるのは、本人も望んでいないと思います」

と言う妹と彼女が、葬儀に出来る限りの本人が好きだったエンターテイメントを味付け！

まずは、葬儀の間も本人が好きだったFM放送を流し、お経が終わると、本人の好きだった曲がヒット。

そして、遺影をラウンドガールのように持って歩く彼女。

焼香の時には、ミスターポーゴさんが好きだったケインのために徹夜で有刺鉄線バッドを作って持ってきてくれたラッパーのサイプレス上野さん。（いつの間に知り合いになってたんだよ！）

有刺鉄線バッドを棺桶に入れようとしたが…

さすがに

「燃えないから」

と、妹がそれを受け取り（燃えたらOKなのか！）

なんと出棺の参列者を見送る時に、窓から身を乗り出し、有刺鉄線バットを振って見送り！

そしてそれらを全て見守るケインのお母さん。

本当にステキな家族だな。

俺ら演劇部は花を出させてもらった。

しょうがないよな、この劇団名もケインが命名したんだから（笑）

昔。

舞台の本番前に

「コレを聞いてみな。テンションあがるよ」

とミッシェルガンエレファントの『リボルバージャンキーズ』って曲を教えてくれた。

数年後。

プロレスをやり始め、バトラーツで再デビューをした 2005年の桂スタジオをケインは見に来てくれた。

だから俺はケインにサプライズで、リボルバージャンキーズをかけて入場。

喜んでくれてなぁ。

あの曲のおかげで、日本でも海外でもがんばれた。

ツイッターでいつか、こうつぶやいてたけど。

ステキな家族のおかげで、出棺の時は大爆笑。

望むものに近いものができたんじゃないかな。

多分、この先、出棺で大爆笑の葬式ってないと思う…笑

俺もおまえと同じよう、他人のいいところを見つけていく、『得点法』をもっと使って生きていくよ。

家事のチェックが激しい、ウチの奥さんも是非、俺への採点方法に活用してもらいたいね。

おまえのお母さんが最後に言ってた言葉。

「彼（息子）とはまた、いつか…会える日が来ると思います。」

あまりにも突然過ぎて、実感がわかなすぎるけど。

俺もそんな思いを持ち続けています。

あいつの得点法【後編】