快楽と免疫の考察

あなたは、「笑うだけでガンも治る」といった見出しを目にしたことがあるだろう。
私は医学の専門家ではない。ここで述べるのは私自身の長年の観察と実感に基づく考察であり、医学的な診断や治療法を否定するものではない。
(本稿は個人的な観察と仮説に基づくものであり、既存の医学的治療を代替するものではありません。治療方針については必ず医師と相談してください。)
さあ、話を進めよう。
人が快楽を得たときに“強くなるように感じる” あの不思議な感覚を、私はずっと無視できずにいる。
この本は、その“実感としての免疫”についての考察である。医学の外側から、しかし医学と矛盾しない形で、人間の身体がどのように世界と関わり、どのように回復し、どのように弱り、どのように再び立ち上がるのかを見つめていきたい。
この領域を便宜的に「快楽による免疫」と呼ぶことにする。ここで言う「免疫」は医学的な免疫反応そのものを指すのではなく、快楽やポジティブな心理状態が回復力や健康感に与える影響を指す概念的な表現である。

たとえば、落ち込んでいると風邪をひきやすく感じる、楽しい予定があると体調が持ち直す、意味のある仕事をした日は疲れていても身体が軽く感じられる、などの“実感としての身体の反応”がある。
医学的に正しい処置、例えば処方された薬を飲み続けても回復しない人がいる。一方、風邪もひかず、健康でい続けるひともいる。こういえば「そりゃそうだろう」、となるが、今言いたいのは、その調子が悪い人が回復しないのはなぜだ。健康でいる人はなぜウイルスが飛び込んだ時に増殖せずに済むのだ。
皆さん、「プラセボ効果」を知っていますね?効能のない薬でも回復する話。薬の成分が不調を治すわけではないといえる部分が有る、という事は医学的に証明されている。これを言及したい。そしてこの部分について、まだこれほどでしか研究されていないことが不思議である。

簡単な例から話そう。
人間の身体はちくわみたいなものだ。どれだけ健康に良いものを口にしても、吸収できなければ意味がない。
吸収には免疫や自律神経の働きが必要で、これは意思ではどうにもならない。だからストレスや不安、うしろめたさの影響は大きい。
極端に言えば、「プラセボ効果ですべて解決」である。身体が吸収モードに入れば、中身が何であれ効くし、逆に身体が閉じていれば、本物の薬でも粘膜、皮膚を通らない。

例えば、あるビタミンが足りないとする。腸管から吸収される栄養は経口で補えばよい。うまく吸収され、身体や細胞に染み渡れば、不足は補われる。あるいは肥大した腫瘍を切除し、傷を縫えば、悪い部分がなくなるので痛みは消える。こうした場合は因果がはっきりしている。
だが、いつもそう単純ではない。別のビタミンが足りているかどうか、経口で十分に吸収されるかどうか。傷口を消毒して汚れを落とすことは理にかなっているが、目に見えない微生物を確実に無効化しているのか。微生物が白血球に勝って化膿を起こす可能性があるなら、事前に抗生剤を塗るという判断もあり得る。しかしその判断は確率的であり、起こらないかもしれない。

ここで重要なのは、身体内部の「起きる力」――免疫や自律神経、代謝といった健康維持活動――が整っているかどうかである。これらは意思で直接オンにできるものではない。ストレスや不安、安心や期待といった心の状態が、身体のスイッチを入れたり切ったりする。だから、外部からの処置が必ずしも単純な因果で完結しない。問題発言につながりそうなのでこの位にしておこう。

脳のアンコントロール領域については、すでに研究がすすんでいる。
アンディシュハンセンさんの「スマホ脳」を読んだ人も多いだろう。納得できる話があったと思う。いや、むしろ「そうは思わない」という部分があっただろうか。それならあなたはとんでもなく高度(スティーブジョブスよりも)か、小学生のような非常に理解が弱い人間だということになる。 スティーブ・ジョブズが、自分の子どもにはiPhoneを触らせなかった、 という話を知っている人も多いだろう。わかっている人はそうする。テクノロジーの中心にいた人が、その“快楽”がどれだけ健康を奪うかを知っていたということだ。快楽は行為そのものではなく、身体がどう反応するかの問題だということを、開発した本人が感じていたという事だ。

要は、脳みそという器官は、情報処理によって「考え」とか「意思」とか繰り出してくるが、意思、人格に現れない、どうやってもコントロールできない、「深層心理」部分を持ち、「スマホを触らないぞ」という事が本人の意思でできない、という部分を持っている。 そこの部分が、ここでは免疫という言い方をしたが、ありとあらゆる体の健康にかなりかかわっているのではないか、と実感している。それをここに示したい。医学的な科学的な実験ができるならば誰か解明してください。という気持ちを込めて。

さあ、話を戻そう。「医学的な健康を求める行為よりも好き勝手をした方が健康でいられる話。」!!

本論はここから始まる。医学を否定せず、外部介入を軽視せず、それでもなお「なぜ身体は反応するのか」を、内部の働きから解き明かすことを目指す。
20260123