その毒もみとは、水中に毒をまき魚を麻痺させてとるやり方で、山椒の皮や樺の皮を使うそうですが、人間には害はないそうです。
そんな漁方があったんですね。
「風の又三郎」のなかにも禁止されているにも関わらず、佐太郎が毒もみをしてみんなで魚が浮いてくるのを待っていたシーンがあります。
その毒もみが好きで、辞められない署長さん。
その二面性?のある署長さんのお話です。
所はカラコン山(多分カラコルム山脈)、から流れる河がプハラ(中央アジアのブハラ)という国のお話しです。
というと、河はインダス川になるわけですね。
賢治さんのお話の中で、確か「雁の童子」も西域のお話しでした。
その署長さんは、川獺に似ていて、赤ひげがぴんとはね、歯は全部銀の入れ歯で、金モールのついた赤いマントを着ています。
その署長さんが、国の法律(毒もみ禁止令)を破って、最後がなんとも凄まじい❗
賢治さんのお話、作品の中には、
変わり者のといいましょうか、常に狂いの要素を持ち合わせている人間 (動物や植物、鉱物を擬人化している時もある)が多く描かれています。
今回の作品は 死と毒物の関係
そんなお話しです。
人間はいったいに何者なんだろうか?
偉大な自然の一部でしかないはずなのに。
最近賢治さんの作品と作品の私には見えなかった繋がりが、少しだけ手繰り寄せるようになったかなと感じています。
尤も私の自我流ですが、
私はそれを大切にしていきたいと思っています。賢治さんの研究は、たくさんの方々がなされていて、それにあまりに傾向しすぎてしまったり、先入観を植え付けられてしまったりしますと、私の最初の感動が消えていってしまいます。
本を、作品を読むほどに、私の心が鍛えられ、こんな私でも、生きている限りの小さな哲学的思考を賢治さんの作品から、大切に育んでいくことを願っているからです。
なぜなら、本との作品との出会いは
そういうものだと思うからです。
また、絵本は絵で表現してくれていますから、
私の想像を大いに超えてくれます。
そんな絵本との出会いから、更なる賢治さんの
宇宙を感じられる今に楽しんでいます。
本橋英正(1924〜1999)の賢治童話絵画館の
「ある晴れた日に」の中の世界も
大変愉しく、見逃せません❗

土に生まれて 空を飛び
茶目でなにやら 切なげで
ふしぎな ふしぎな
K E N J I 鳥
本橋 英正