【FIRE5年間で見えた景色】ブーム前に早期リタイアした私が気づいた「本当の自由」と65歳へのソフトランディング
私がリタイア生活に入った頃、世間ではまだ「FIRE」という言葉は今ほど一般的ではありませんでした。
だからこそ、大々的な「アーリーリタイア達成!」というよりは、「しれっと有料道路の出口を降りて、ガソリン満タンのまま自由気ままな下道ドライブに入った」ような感覚でした。
気が付けば、その生活も5年目。
楽しい時間は驚くほど早く過ぎ、今は65歳という一つの節目へ向けて、静かにソフトランディングが見えてきました。
振り返ってみると、年代ごとに見える景色や考え方は大きく変化してきました。
今回は、その変化を
「FIREあるある」
としてまとめてみたいと思います。
🔙 FIRE前夜:自由への期待と尽きない不安
自由を目前にすると、やはり現実的な不安が次々と頭をよぎります。
終わらないシミュレーション
支出と収入、取り崩しをまとめたキャッシュフロー表を作りました。
「もしハイパーインフレになったら?」
と考えたものの、キャッシュフロー表は所得税と住民税の概算程度でした。
家族と世間体
子どもの高校・大学受験に影響はないか。
結果的には、子どもの進路への影響もなく、完全な杞憂に終わりました。
そして、
「自分だけこんなに遊んでいていいのだろうか」
という謎の罪悪感もありました。
がしかし、
FIRE後あるある
バグる曜日感覚
月曜から金曜が普通の休日。
土日は「休日の休日」。
夏は全部夏休み、冬は全部冬休み。
平日遊び疲れたから土日はゆっくり休養、そんな感じです。
まさにゲゲゲの鬼太郎のテーマソングが流れてくるイメージです。
意外な発見
平日は空いていると思っていた道路が、朝夕は通勤渋滞で意外と混む。
これは実際にリタイアして初めて知ったことでした。
- 土日は出掛けない
- スーパーも病院も平日
- 旅行も平日
混雑がストレスになります。
- 遠回り
- 景色
- 寄り道
これが価値になります。
支出が減ります。
- スーツ
- 飲み会
- コンビニ
- 外食
- 通勤費
芸能ニュースより
- 金利
- CPI
- 雇用統計
- 為替
を見るようになります。
好きなことだけで予定が埋まる。
むしろ遊びすぎて疲れたので、
「今日は休もう」
が必要になります。
投資でも、生活でも
焦らなくなります。
時間が最大の資産になります。
60歳を超えると
- 年金
- iDeCo
- 退職所得控除
- 健康保険
- NISA
- 相続
など
制度を理解することが資産運用になります。
会社員時代は「時間をお金に換えていた」。
FIRE後は「お金で時間を買っている」ことに気づく。
🏄♂️ FIRE前半(57〜59歳):真のFIRE(自由への解放)
この時期は、まさに「真のFIRE」。
人生で最も自由を感じた期間でした。
時間と健康の圧倒的黒字
- 往復2時間近い通勤が消えました。
- 好きなだけ眠れる。
- 何もしない時間を楽しめる。
すると心にも余裕が生まれ、体調も驚くほど良くなりました。
ガーミンのスマートウォッチのボディバッテリや睡眠データもそれを裏付けています。
頭も体も、自分の持つ資源をすべて「やりたいこと」に使える毎日です。
不思議なことに、頭の回転も以前より良くなった感覚があります。
趣味と旅行をフルスロットル
マリンスポーツを中心に、コンディションが良ければ平日に千葉や静岡へ。
ルーフキャリアに道具を積み、温泉付きの宿に安く泊まる。
熊が出没する前の頃は、山にトレッキングやマウンテンバイク。
日曜の夜に
「明日の仕事があるから…」
とセーブする必要はありません。
学生時代が戻ってきた
「お金はないけれど時間だけは無限にあった学生時代」
そんな感覚が戻ってきました。
同時に資産運用も本格化し、キャッシュフロー表も少しずつ精密なものへ進化していきました。
📊 FIRE中盤(60〜62歳):ブリッジFIRE(現実との向き合い)
還暦を迎える頃から、ただ自由を楽しむだけではなく、社会や経済、自分の資産を冷静に見つめる時期へ移りました。
マクロ視点が身につく
家計の支出を正確に把握するようになり、
- S&P500
- 金価格
- ドル円相場
なども自然と毎日チェックするようになりました。
インフレを実感
ロシア・ウクライナ情勢をきっかけに世界的なインフレが進み、
「物価」「金利」「為替」
が生活に直結するものだと強く実感しました。
資産の逆転現象
当初はほとんど現金だけだったので「資産を取り崩しながら減っていく人生」を想像していました。
しかし実際には、株高や円安の追い風もあり、円建て資産は会社員を続けていた場合の想定を上回る水準になっていました。
念のため支出と資産運用の理解と制度が上がりデータで裏付けるという結果になってきました。
これはFIRE前には全く想像していなかった景色でした。
子どもの頃、夏休みの計画は一度も予定通りに進みませんでした。
ところがFIRE後は逆に、時間にも資産にも余裕が生まれ、計画以上の結果になっていることに自分でも驚いています。
車も投資目線で考える
車も「壊れたから買い替える」のではなく、
- インフレ
- 新車価格
- 下取り価格
など市場環境まで考えて判断するようになりました。
つまりFIRE後は、自分の都合ではなく市場や経済のリズムに自分を合わせるようになりました。
🛬 FIRE後半(63〜65歳):普通のリタイア世代へのしれっと合流
現在はこのフェーズです。
世間一般の定年退職世代と自然に合流しながら、新しい人生へ移っています。
出口が見えてきた
FIREの終着点が見えてきました。
インフレや金利を身近なものとして考えるようになり、経済学の基本も少しずつ理解できるようになりました。
ニュースの裏側が読めるようになる楽しさもあります。
次世代へのバトン
税と社会保障がわかってくるにつれ自分だけではなく、
「相続」
についても考える年齢になりました。
というか相続直前には頭が回らないことが想像されるので。
資産を増やすだけではなく、どう残すかも重要なテーマです。
ガソリン満タンでゴールへ
予定では2年後には新NISAも満タン。
資産面でも精神面でも余裕を保ったまま、65歳という本来のゴールへ向かっています。
QOLへの投資
若い頃は節約を優先していました。
しかし今は、
- キッチン
- 洗面台
- 住宅設備
など、毎日の暮らしを快適にする投資を積極的に行うようになりました。
「生活の質」を上げることも、大切な資産運用の一つだと感じています。
おわりに
ブームになる前に、しれっと始まった私のFIRE生活。
不安を抱えながら高速道路を降り、ガソリン満タンのまま始まった下道ドライブは、圧倒的な自由の期間を経て、今は65歳という一つの節目へ向けて静かに高度を下げています。
FIREはゴールではありません。
高速道路を降りたあと、どんな景色を眺め、どんな速度で走るか。
その人らしい「下道ドライブ」を楽しめるかどうか。
それが、本当のFIREなのだと思います。
FIREで本当に増えたのは、お金ではなく「自分で使い方を決められる時間」でした。その時間が健康をつくり、学びを深め、資産を育て、そして65歳への穏やかなソフトランディングにつながっているのだと思います。
これからFIREを目指す方、そして今まさにFIRE生活を送っている方にとって、この「FIREあるある」が少しでも参考になれば幸いです。



