何気に見ていた記事で
「席まで運んでいる間に落とした料理」
と 題したのが
ふ と目についた。
フードコートで
受け取った料理を
席まで運ぶ間に
落としてしまった時
無料で作り直す店がある
との記事。
コレで思い出したのが
以前
サンフランシスコの空港の
フードコートで
コーヒーを飲んでいると
女性が楽しそうに
アイスクリームを買ってたのよ
本当に楽しそうに。
「どれにしようかなぁ〜」
「コレも良いけど…」
「コッチも美味しそう♪」
てな具合にね。
で
素敵なシンキングタイムを過ごして
コーンにトッピングしてもらって
それはもう
誰が見ても
幸せそうな笑顔で
歩き出したのね。
ところが
俺のほんのちょっと目の前で
アイスが…
ポテッ!
と
落ちちゃった!
「オーマイガー!」
…
一瞬の出来事。
その落胆
奈落の底に突き落とされたが如く
天国から地獄まで。
「オォーノォォォー…」
頭を抱え込み
今にも泣き出しそうな女性。
そして
ふと
俺と目が合う。
「可哀想に…」
そう声をかけると
彼女は
「凄く楽しみだったの」
「凄く悩んで決めてこれから美味しく…」
段々声が消えそうになる彼女。
「ダメ元で もっかいトッピングしてもらえる様
お店の人に頼んでみたら?
ダメだとしても
お金を払ってもう一回買って
嘆き悲しむ時間を終わらせた方が良く無い?」
と
提案してみた。
俯き重い表情の彼女は
意を決して
「そうよね!」
と
キリッ!とした表情で
背をくるりと向けて
アイス屋さんへ。
事情を説明して懇願している彼女。
店の人も
それは可哀想…という顔をして
彼女の話を聞いている様だ。
で
彼女がコチラを向いて
ニコッ
と笑みを浮かべた。
程なく
彼女がコチラへ来て
「お店の方に良い対応をしてもらえたわ」
と一言。
「良かったね」
と
俺。
ニコニコして去っていく彼女へ
「今日一日が 貴方にとって
素敵な一日になります様に」
と
一声かけると
「もう素敵な一日は始まっているわ」
と
応えて去る彼女。
ふと
アイス屋さんを見てみると
対応した店員さんが
微笑んでコチラを見ていた。
思わず目が合って
どちらからともなく
サムズアップ。
店員さん
グッジョブ!
この一連のやり取りが
正解なのかどうか
でも
その時は
その瞬間は
皆んなが笑顔だった。
消えたアイス1個分の売り上げは
その後
どうなったのかは
謎。