RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 / 2010年日 | TDR&MOVIE

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RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語 / 2010年日

根っからの仕事人間で、家庭を省みず、妻や娘との距離が開き、家族団らんなど皆無だった50歳目前の男・筒井肇。母親の入院を気に、故郷島根に一時帰郷。母や娘との会話を通して、自分の生き方を見つめなおし、子供の頃からの夢を叶うべく、決心をする。49歳にして、電車の運転士を目指し、今まで築き上げたキャリアを捨て、地元「畑電」の採用試験に応募する。

真面目を絵に描いたような人…中井貴一が、仕事以外の事に興味を持てない、典型的な仕事人間筒井肇を演じる。冒頭、眉間に皺を寄せ、会社のためならと躍起になって働く姿に、日本のサラリーマンなんて、みんなこんなもの…と、思ったり。それでも大切な家族との亀裂や、母親の病気などを目の当たりにして、生き方、考え方を変えていく姿は、心苦しくなるばかり。そんな中、一生懸命に電車の運転手になるべく試験や研修に取り組み、生き生きとしていく様は、なぜだか心地よい。50歳を目前にして、今まで生きてきた世界とは全く違う世界に飛び込むことは容易でなく、とても大変なこと。映画の中では、その辛さも含めながらも、夢に向かって、とても嬉しそうな筒井肇の姿が印象的でした。

そして、筒井と共に、運転士の試験を受ける若者に宮田大吾に三浦貴大。寡黙ながらも、なかなかいい雰囲気を醸し出すこの人って誰だろう…って、ずーっと魅入っていて、帰ってから彼が何物か知って、ちょっとビックリ。独特の存在感は、ご両親から受け継いだものだったのですねぇ筒井と相対するような存在の宮田。二人が揃って、運転士になることで、とてもいい空気感が生まれて、観ていてほのぼのしました。

夢を諦めないこと。現実的には、叶わぬことが多い、幼き頃の夢。
自分の今の立場を捨ててまで、その夢を叶えようとする人は、なかなか多くないはず。
この作品は、そんな誰でも出来ることではないけれど、何か勇気を与えてくれるそんな作品でした。

個人的には、父親に対して娘が罵るシーンが、観ていてとてもキツかった。なんて、勝手なことばかり言う娘なんだろうと…大人には大人の事情があるし、家族のために自分の考えや希望や夢を心の奥底に押さえ込んでいる父親の姿を、現実をどうして見てあげないのだろうと。大学まで行かせてくれる経済力やここまで育ててくれた労力は、何処から生まれたのかとか、大学生にもなって、考える余裕はないのだろうか?と。

電車好きには堪らない「畑電」から広がる島根の景色。そして、既に引退をした『デハニ50形』の有志を観ることができる。地元を走る電車を通して、そこで生活する人たちの繋がりや、暖温かさを感じることの出来る作品。
あまり期待をしてなかったけれど、観にいってよかったと思えました。

監督 錦織良成
製作総指揮 阿部秀司
原作 -
音楽 吉村龍太
脚本 錦織良成 、ブラジリィー・アン・山田 、小林弘利
出演 中井貴一、高島礼子、本仮屋ユイカ、三浦貴大、奈良岡朋子、橋爪功、佐野史郎、宮崎美子、遠藤憲一、中本賢、甲本雅裕、渡辺哲、緒形幹太、石井正則、笑福亭松之助
上映時間 130分
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id335991/