2008年米英

ディズニーネイチャー/フラミンゴに隠された地球の秘密 / THE CRIMSON WING: MYSTERY OF THE FLAMINGOS

W.ディズニー社が環境や自然にスポットを当てた新レーベル製作のドキュメンタリー作品。
記念すべく第一作の主役は『フラミンゴ』。
アフリカ・タンザニア北部のナトロン湖に、毎年雨季になると飛来する『フラミンゴ』。
その湖水は毒性が強く、他の生き物は生命を育むことが出来ないというその地で、子育てをする。
真っ赤に染まる湖水と、その湖水に住むプランクトンにより、彼らの身体も真っ赤に染まっていく。
150万羽ものフラミンゴたちが織りなす、その自然との共存をスクリーン一杯に描き出す。

こういうネイチャーものというか、動物の生態にスポットを当てたドキュメンタリー大好き！
ディスカバリーチャンネルも大好き！そして、今まで上映された『ディープ・ブルー』や『アース』も魅入りました。
この作品の予告編を観て、絶対に観にいこう！と決めていました。
がしかし、思いのほか人気がなかったのか、あっという間に縮小…そして、あっという間に終了。
慌てて観にいきましたよ！

とても美しい映像で始まるこの作品。でも、その内容は彼らにとっては過酷な事実。
『フラミンゴ』が＜不死鳥＞と呼ばれるかの謂れや、興味深い生態。
彼らがなぜあのような羽色なのか？なぜ、子育ての地としてナトロン湖を選ぶのか。
死にゆく様までもが美しく、正にナトロンに生まれ、ナトロンに戻っていくフラミンゴ。
子育ての地ナトロン湖から他の場所へ、子供たちを連れて陸を横断する姿の空撮はとても美しかったです。
親鳥は羽があるにもかかわらず、まだ飛べぬ子供たちのために、群をなして大地を移動します。
まるで足かせのような湖の塩分を脚にまとわりつけた子供…
一生懸命、仲間たちと共に先へ先へと急ぎますが、そこは灼熱の太陽の下…哀れにも、その命は儚く散ります。

作品中、衝撃的だったのが、まるで魔女のような出で立ちの＜ハゲコウ＞に襲われるシーン。
ディズニー映画の悪い魔女たちに、いつもくっ付いている怖い鳥そのもの！
こいつらが、食べるのか、ただ弄んでいるだけなのか…フラミンゴの子供たちをボロ布のように扱うのよねぇ
食物ピラミッドとか、そういうことでなく、何故何のために？というシーンは心が痛みます。

この地球に生まれてきた生命の神秘。
『フラミンゴ』が如何にして、自分たちの子孫を残していこうとしているのか？
一種類の動物にだけ注目して描くということで、退屈するのではないかという不安も、私の中にはまったくありませんでした。
最初から最後までとても興味深く、『フラミンゴ』たちの生き様を観ることができました。

ディズニー・ネイチャーは美しい映像を映し出しながらも、その背景には、厳しい環境破壊があるということを知らしめるのでした。
次回作の主役はなんだろう…是非とも公開して欲しい。

監督マシュー・エバーハード、リアンダー・ウォード
製作ポール・ウェブスター、リアンダー・ウォード、マシュー・エバーハード
製作総指揮スティーヴン・ギャレット
脚本メラニー・フィン
音楽ザ・シネマティック・オーケストラ
ナレーションザブー・ブライトマン、宮崎あおい（日本語版）
上映時間 79分
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id333846/
http://www.disney.co.jp/movies/disneynature/flamingo/