K-20(TWENTY) 怪人二十面相・伝 / 2008年日

第二次世界大戦が回避された、架空の都市＜帝都＞。
富裕層がすべての利権をにぎり、下級層は何の恩恵も受けられずにいた。
そんな中、怪人二十面相と名乗るものが、その裕福層の持つ、美術品や骨董品などを盗み出し、世を騒がせていた。

世を賑わす怪人二十面相と明智小五郎、怪人二十面相に間違われた曲芸士の男と小五郎の婚約者を中心に織り成す正に、冒険活劇！
冒頭、怪人二十面相が姿を現すシーンは、飛行船まで出てきちゃったりで、劇画ちっく。
そして、まるでアメコミ…MARVELのパクリ？（笑）ちっくなアニメーションのオープニングで、一気にその世界観に入り込まされました。

『帝都』という、第二次世界大戦が回避された後という設定のパラレルワールドで巻き起こる、騒動。
まじめ何だかふざけているんだか、わからない微妙な空気感が意外に心地よく、とても楽しかったですねぇ
無駄で余計なキャラクターが居なく、出てくる人みんなが、物語にしっかり一役買っていて、不安定な時代背景のようで、なんともふんわりとした空気感だったり…
華族の世界を、ちょっと垣間見ることが出来たりも、なかなか楽しい。

それにしても、仲村トオル。いいですねぇ元から、好きな役者さんだけに、更に贔屓目！
彼はなぜだか、陰のある金持ち風な役柄が似合います。そして、映画向きな俳優さんですね。
彼がスクリーンに映し出されるたびに、釘付けに。素敵～

そして、金城武演じる遠藤平吉。
今回は、ちょっと頼りない雰囲気いっぱいですけど、さすがにかっこいい～
トレーニングに励む姿は、とても凛々しく、時に笑いも誘い…
この間の孔明と打って変わった役柄を見事に演じていました。
アクションシーンはスタントマンを使っているでしょうけど、ストリート・パフォーマンス集団“ヤマカシ”的アクションはかなり楽しめました。

平吉に色々な道具を提供する、007で言うところのQ…
バットマンではアルフレッド的な役割の源治には國村隼。
ココ最近、たくさんの映画でみますねぇそして、それぞれにいい味だしまくりで、今回もまた♪
ちょっと、スネちゃうかわいい？感じとか、決めるときは決めてくれる、頼もしさ～
彼が居ることで、また場が締まるのです。

そしてヒロイン。
今回、今まであまりいいと思ったことがなかった、松たか子がはっちゃけたお嬢様役を演じていて、かなり笑いを取っていました。
葉子様の決め台詞？「両家の子女のたしなみです！」っていうのも、いちいち笑わせてくれます。
そして、少しだけの出演ながら、高島玲子もいい味出していましたねぇ
このくらいの時代背景に合った雰囲気で、この作品に、いいスパイスを加えていたと思います。

それから、明智小五郎の助手・小林少年に本郷奏多。
ちょっと、彼では年齢的に大きすぎるのでは？と心配もよそに、いい感じでしたねぇ
少年探偵団なんかも、ちょこっと出てきたりで、笑い？を誘いました。
日曜日の朝にやっていた子供向けドラマ的なシーンは、どこか懐かしい感じもしました。

女性監督作品名ながら、爽快なスピード感と、程よい伏線とテンポのよいストーリー展開。
わかりやすい人物相関で、とても楽しく見ることが出来ました。
その後のK-20や明智小五郎に焦点を当てた、続編やスピンオフなどあっても良さそう♪

監督佐藤嗣麻子
製作総指揮－
原作北村想
音楽佐藤直紀
脚本佐藤嗣麻子
出演金城武、松たか子、仲村トオル、國村隼、高島礼子、本郷奏多、今井悠貴、益岡徹、鹿賀丈史
上映時間 137分
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id330914/