手紙 / 2006年日 | TDR&MOVIE

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手紙

東野圭吾のロングセラー小説を映画化した社会派人間ドラマ。
原作は読んだことがなかったけれど、公開時にかなり話題になった作品。
当時、観逃してしまい…レンタルで…地上波で…と、先送りにしていたのだけど、
やっと観ることが出来ました。
なんとなく、あらすじを読む限り、精神的に元気な時に観たいと思っていたのです。

弟の学費を工面しようと、とある屋敷に盗みに入り、過ってその家人を刺し殺してしまう兄。
自分の為とはいえ、服役中の兄の存在を周りに知られるたびに、辛い思いをしてきた弟。
毎月刑務所から送られてくる<手紙>。返事を返す弟。
血の繋がりがある限り、たとえ家族がどんな罪を犯しても、世間の目は冷たい。
そんな悲しくも辛い運命を背負って生きていく青年を、陰ながら応援する者。
私だったらどうする?なんていう、在り来たりかもしれない問いかけをしながら、
最後まで、それぞれの立場になりながら、観ていました。
ラスト、手を合わせる兄の姿に、心の中がとても苦しくなりました。
久しぶりに、自然と涙が出てきちゃう、そんな作品でした。

弟・直貴を演じるのは山田孝之。
ちょっと影がある、そんな役を好演していたと思います。
彼は、こういう役がうまいなぁと思います。

兄・剛志を演じる玉山鉄二が、物凄く良かったです。
ほとんど、彼にはセリフがなく、イメージシーンばかりだったのですけど、
剛志のシーンは切ない気持ちでいっぱいになりました。
今まで彼の出演していたドラマや映画で、ルックスの割にはインパクトが薄い役者さんだと
思っていたので、この映画を観て、ヨカッタなぁって、思いましたねぇ

それから、直貴を支える由美子役の沢尻エリカ。
途中まで、裏がある!この人、裏がある!なんて、失礼ながらそんな雰囲気が…
でも、後半からは由美子を応援している私がいました。
誰も自分を理解してくれない!って、思うことって、誰にでも1度はあるはず。
そんな時に、誰かひとりでも自分をわかってくれる人がいるはず!
そんな存在って、本当に大事だと思う。
強くて、やさしくて、あたたかく包み込むような雰囲気がとても素敵な沢尻さんでした。

罪を犯すこと、法を破ることによって、どれだけ家族や愛するものを傷つけるのか、
それを改めて、知ることの出来る作品でした。
原作では弟の目指す職業が違うとのことでしたが、ラストシーンを見る限り、
変更して正解だったのではないのかなと思いました。
原作も読んでみよう。

監督 生野慈朗
製作総指揮 -
原作 東野圭吾
音楽 佐藤直紀
脚本 安倍照雄 、清水友佳子
出演 山田孝之、玉山鉄二、沢尻エリカ、吹石一恵、尾上寛之、田中要次
上映時間 121分
http://info.movies.yahoo.co.jp/detail/tymv/id325646/
http://www.tegami-movie.jp/