町田そのこ著『宙ごはん』。
小学校入学をきっかけに、産みの母・花野と暮らすことになった宙。
だけど、宙が思い描く母親像とはあまりにもかけ離れていて、寂しさを募らせていた。
そんな宙に優しく寄り添い料理を作り続けてくれた佐伯。
佐伯は料理人で、宙は少しずつ距離を縮め、いつでも見守ってくれる父のような存在になっていく。
子供目線で見た場合、花野は最低だなと感じたんだけど、でも、母親だって一人の人間なんだよなーというのも本音。
周囲が決めた母親像に当てはめようとする人、多いと思う。
ただね、それも覚悟して母親になったのだから、やっぱり子供が一番でなきゃだめなのかなと思う。
宙のクラスメートのマリーが、「母親」を求めるから傷つくのであって、「家族」だと思えばいい、と語る場面。
なるほどなぁ、そんなふうに割り切るのがいいのかもしれないと感じました。
こういう親のせいで、宙にしても、マリーにしても、大人にならざるをえなかった。
子供らしい時代を親のせいで奪われるのは、ある種の暴力だと思う。
佐伯の言葉
「助けられる奴が動かなきゃダメだろ。ちんたらしてていいことなんか、ねえんだ」
町田さんの描く世界には、必ず手を差し伸べてくれる誰かがいる。
現実世界もこんなふうであって欲しいという町田さんの願いもあるのかな。
町田作品、まだ読んでないものもあるけど、本書、好きでした。
続編書いてほしいなぁ。