佐藤厚志著『荒地の家族』。
芥川賞受賞作品。
舞台は仙台市。
主人公は植木職人の坂井祐治。
震災の後、病気で妻を亡くし、再婚した妻には逃げられ…。
実家に戻り、母と小学生の息子と3人で暮らしている。
誰もが何かを失い、元の生活には決して戻らない。
震災があろうとなかろうと、人々の暮らしは営まれていく。
たくさん胸にグッときた文章はあったけど、なんとなく心に残ったのは…。
厚く黒い雲の下、航行する船のない海はあの世を思わせ、波の寄せては引く浜辺は常に生と死のせめぎ合いを想起させた。黄泉から無数の死者の手が伸びてきて、死が迫るようだ。ひと言呼びさえすれば、即座に死者が応え、引き寄せられ、あっという間に波の間に飲み込まれそうだ。
色んな感情があるけど、うまく言葉にできない、そんな一冊でした。
小説にも出てくる亘理は、イチゴ狩りやホッキメシを食べに何度も行った場所。
あのホッキ飯のお店、震災でなくなってしまった。
すぐ目の前が海だったから。
一時街中に移転した後、また亘理でやってるようです。
今はあの辺りには防潮堤ができてるのかな。
著者は書店員さんです。
もし仙台に住んでいたら会いに行きたいですね、アエルに。
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