滝口悠生著『茄子の輝き』。


カルタ企画という会社で働く主人公の市瀬が、離婚した元妻伊知子との記憶を辿る日々が描かれる。

何もおこらない日常を淡々と描いてあるので、ここが面白いという箇所もないのだが、最後まで読んでしまった。


市瀬はなぜ伊知子と離婚したのか理由が分からないまま。

未練があるのかないのか…それすらはっきりしない。

ある時中途入社してきた千絵ちゃんに心を奪われる市瀬だったが…。


そもそもこの本を読もうと思ったきっかけは、映画『花束みたいな恋をした』で登場したから。

「今どんな本読んでる?」から好きな本などの共通の趣味から意気投合し、付き合い始めた絹(有村架純)と麦(菅田将暉)。

ずっとこのまま好きな事だけして生きていきたいと思ってた二人はいつしかすれ違い。

絹ちゃんが読み終えた『茄子の輝き』を麦君にも読んでみてと渡したのに、結局麦君は読むことはなかったんだよね。

映画とこの本とセットだなぁって感じました。


本書の最後に全く別の物語「文化」という短編があり、なんとなく色々と心にくるものがあった。


年に何日あるかないかのこんなに気持ちよく晴れた日に、天気など関係なく悲しみに暮れている人も必ずいるはずなのだと空を見ながら思うことがそのような人にとって何の役にも立ちはしない。


たまにふと似たような事を考えていたので、きっと世間の人もこんなふうなことを考えているのだな、と妙に納得したのでした。


滝口悠生さんはこれで3冊目。

おいおい、他の本も読んでみようかな。

東京のあちこちが登場するので、地元の人なら場所を思い浮かべながら楽しめるのかな?と感じました。