染井為人著『みずいらず』。

夫婦間の問題を描いた連作短編集。


主人公の脇を固める登場人物が、次のストーリーで主人公となって描かれる、なかなか面白い読ませ方です。


心に残ったのは「思い出の抽斗」。

79歳の忠志は、もういつお迎えがくるか分からない年齢になったのだから、若き日の思い出の地を妻の清子と巡りたいと、あちこち連れて行く。

しかし清子は家でゆっくりとテレビでも見て過ごしたい。

億劫でたまらないのだった。

読み進める内に、だんだんと事情が分かり始めたけど…。

なんだかせつないなぁ。


連作短編集の最後の主人公は著者なのかな。

どこまでがご自身と重なっているのか分からないけど、面白かったです。


染井為人さん、たまにはこんな感じの小説もいいですね!