町田そのこ著『あなたはここにいなくとも』。

短編集。


おつやのよる

ばばあのマーチ

入道雲が生まれるころ

くろい穴

先を生くひと


この中で気になったのは「入道雲が生まれるころ」。

 主人公はリセット症候群。

実家の親族・藤江さんが急死したとの知らせを受け、帰省してみたら、藤江さんは失踪宣告がなされた全くの赤の他人だった!

リセット症候群、初めて聞いた言葉だけど、なんとなく分かる気がして。

転勤族だったので、引っ越しが寂しかったのはもちろんだけど、何もかもを(特定の人間関係)リセットできるのは、良い面でもあった。

この親族の藤江さんの人生に何があったのだろう?と想像だけが膨らんだ。


すべてのお話に老女が登場します。

みんなそれぞれに歳を重ねて深みがあるなぁと感じました。