高瀬隼子著『新しい恋愛』。
5つの短編集。
全部面白く感じたけど、印象に残ったのは「新しい恋愛」と「いくつも数える」。
「新しい恋愛」
知星には恋人がいてそろそろプロポーズされそうな雰囲気。
もちろん大好きではあるのだけど、❛一生守りたい❜とか、そんなロマンチックな言葉は聞きたくない。
そういう言葉を聞いた瞬間に心が冷めてしまうから。
これ、すっごく共感しました。
守るって…何から?
もしかしたら男性はみんなロマンチックなのかな?とも思う。
それに比べて、私だけかもしれないけど、女性は超現実的。
物語の終盤での、知星の姉夫婦についてのまさかの展開にも驚いた。
「いくつも数える」
男女の年の差婚だったり、お付き合いの話なんだけど、これも男性と女性では受け止め方が違うんですね。
男性側はうらやましがられ、女性側は気持ち悪いとドン引きする。
本書の中の年の差は親子ほどの差なんですが、我が家も年の差婚。
今となっては後悔しています。
20年後30年後の生活の事、当時の大人がしっかりシュミレーションしてあげないと駄目ですね。
まぁ、若いので勢いだった部分は大きいし、聞く耳を持たなかったんだろうけど。
どんな人生を選択したとしても、必ず選ばなかった人生に思いを馳せるのではないかなと思う。
高瀬さん、次はどんなテーマを描くのか新刊が楽しみな作家さんです。