中島京子著「樽とタタン」。


小学校の帰りに毎日行っていた赤い樽のある喫茶店。

わたしはそこで小説家のおじいさんにタタンと名付けられた。

体が小さい頃は樽の中から、やがて狭くなると椅子に作り替えられた樽に座って、店の常連客を眺めていた。

そこには大人の様々な事情があって…。

子供の頃の記憶は、真実なのか、脚色されているのか、嘘なのか…。


小説家となったわたしが40年ぶりにあの町へ足を運んでみるのだが、何もかもなくなってしまっていた。


自身の子供の頃の記憶はどんなだろう。

断片的にしか思い出せなくて、それが真実だったのかすらよく分からない。

家の近くの隠れ家のようなあの建物は何だったのかな?

それともあれは夢だったのか?

読みながら自身の幼い頃の記憶を思い出したりして、切ない気持ちになりました。