伊吹有喜著「雲を紡ぐ」。


不登校になってしまった高校生の美緒。

岩手の亡き祖母が作ってくれた赤いショールにくるまっていると落ち着く。

頑張って登校しても、教室に入れずに家に戻った美緒は、そのまま岩手の祖父の元へ行ってしまう。

祖父の元で、羊毛に触れながら、その仕事に興味を抱く。


一方、美緒の父母も仕事に行き詰まり、苦しさを抱えていた。

強く生きろと育てられた美緒の母。

無口な美緒の父。

中年夫婦、二人のすれ違い。


美緒を見守る祖父の存在が素晴らしかったです。

様々な場面で祖父が発する言葉が沁みました。


人は苦しむために生まれてくるんじゃない。楽しむために生まれてくるはずだ。


あとから考えれば、いくらでも賢明な方法は浮かぶ。しかしいざ、それに直面しているときは、何も思い浮かばないものなんだ。


思春期の子供の言い分も理解できるし、厳しくせざるを得ない親の気持ちも分かるし。

一旦はバラバラになってしまった家族が、距離はあっても心が繋がっていく様が良かったです。

優しい物語でした。


そして盛岡の自然が魅力的に描かれていて、あぁまた行きたいなと思いました。

小岩井農場で、当時7歳の息子が作った羊を思い出してまた飾ってます。