辻村深月著「東京會舘とわたし」。
ブロ友さんが読んでいて気になっていた本。

東京丸の内、皇居の向かいに東京會舘という建物がある。
大正十一年創業。
結婚披露宴や政財界のパーティー、芸能人のディナーショー、芥川賞直木賞の記者会見などが行われ、レストランやバーにも著名人のファンが通う場所。
東京會舘に訪れたことのある人々には、それぞれの思い出がある。
二度の建て替えがありながらも、その思い出をこわすことなく、東京會舘だけはずっとそこにある。

物語は大正十二年から昭和三十九年までの、主人公達の東京會舘にまつわる思い出が描かれていた。
みなそれぞれの人生があるのだなぁと、当たり前だけど感じた。
特に心に残ったのは、亡くなった夫の思い出を胸に、東京會舘のロッシニで、一人金婚式のお祝いの食事をする年配の女性の話『金環のお祝い』。
この時のボーイの心あたたまる対応。

著者辻村さんがご自身をモデルに書かれたであろう『煉瓦の壁を背に』もとても良かった。
昨年から少しずつ読んでいる辻村さんのエッセイにも通ずる。

東京會舘、実は行ったことがなくて、小説に描かれている持ちかえり用お菓子の開発秘話を読み、HPをチェックして、小説に出てくるお菓子が今もあることに嬉しくなり、食べてみたくなった。
東京方面に遊びに行くと、横浜や銀座だったり、ついつい新しいものに目が向いていたけど、昔から存在するこの東京會舘、ぜひ行ってみたいと思っている。