伊与原新著「月まで三キロ」。
初読みの作家さん。
短編集。
どれも良かったけど、やはり表題作の「月まで三キロ」が好きだった。

一時は全てを手にしたのに、リーマンショックで何もかも失った主人公が、全てを終わりにしようと、たまたま乗ったタクシー。
自殺にいい場所があるから、条件に合うかどうか下見してください、と運転手に言われる。
運転手は、月の話をはじめる。
それから、息子の話も。
運転手の思いと、主人公の男の思いが交互に描かれる。
そして、たどりついた場所。
心に残った運転手の言葉。
“乗り越えられない悲しみというのが、この世にはあるんですねえ”

どの作品もとても静かに、人間の内面が描かれていて、ひとつひとつがスーッと心に響きました。

この作家さん、気になります。
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