津村記久子著「婚礼、葬礼、その他」。
初読みの作家さん。
ブロ友さんが著者の最新作を紹介されていて、気になりすぐに借りれそうなこちらを。

呼ぶことはできなくても、頻繁に呼ばれる人生を送るOLのヨシノ。
旅行を申し込み帰宅したその日に、友人からの結婚招待状が届いており、旅行と重なるため泣く泣くキャンセルする。
二次会幹事まで頼まれたのに、当日、途中で携帯に何度も着信があることに気付く。
会社からで、上司の父親が亡くなり通夜手伝いに呼び出され、披露宴の食事をとることもできず、通夜会場へと駆けつける。

一日で、結婚式とお通夜に駆り出されるドタバタ劇でした。
空腹だし、名前すら知らない人の通夜ということで、イラつくヨシノだが、通夜の最中に、亡くなった自身の祖父母を思いだし涙する。
“あんなにはっきりと生きていた彼らはもういない。母親も、友達もそのうちにいなくなってしまう。再び、死ぬ瞬間はどうだったかと故人に訊いてみたくなる。嫌だ、と思ったのか、もういいと思ったのか、それとも死んでゆくことにすら気がつかなかったのか。”
似たような事を考えたことがあって、この作家さんはなかなか人間の心理を表現するのがうまいなと感じた。

もうひとつ、「冷たい十字路」も集録。
自転車通学中の高校生による事故の話。
登場人物が多くて、二度読んだ。
不思議な感覚で、わりと好きな感じだった。

津村さん、他の作品も読んでみたいです。