角田光代著「さがしもの」。
9作品の短編集。
久しぶりの角田さん。

『旅する本』
大学進学で独り暮らしをすることになった主人公が、手狭な部屋を整理するために、本を売りに行く。
すると、古本屋のオヤジから、ある一冊を手に取り「これ売っちゃうの?」と訊かれる。
なんの変哲もないその本を売るのだが、ある時は卒業旅行のネパールで、ある時は仕事で立ち寄ったアイルランドで、まさしく自分が売った本に出会ってしまう。
その本を読むたびに何か変わっている印象を受ける。
だが、変わっているのは本ではなく、年齢を重ねている自分なのだ。

『さがしもの』
余命わずかな祖母に本を探して欲しいと頼まれた羊子。
その日から、羊子の書店めぐりが始まる。
だけど、その本を見つける前に亡くなってしまった祖母。
それでも羊子は本を探し続ける。
そして数年後、ついにその本を見つける。
祖母が読みたがっていた本には何が書かれてあったのか…。

本にまつわる短編集。
一冊の本との出会い。
学生の頃に読んだ時の感想と、結婚してから読んだ時の感想とでは、全く違っている事がある。
読む時の自分の精神状態でも左右される。
本を読むって、本当に面白い。
きっとずっとやめられないだろうな。