小野寺史宜著「ひと」。
初読みの作家さん。
主人公は20歳の柏木聖輔。
高校生の頃に父を交通事故で亡くし、母が女手一つで育ててくれ、東京の大学にも通わせてくれていた。
だが、ある日、母の職場の人から母の死を伝える連絡が入る。
母はいわゆる突然死だった。
簡単な葬儀まですませ、東京へ戻った聖輔は、手元に残った現金が少ないことや、奨学金の返済のことなど考えて、大学を辞めてしまう。
天涯孤独になった聖輔。
大学2年の秋の事だった。
そして、商店街の惣菜屋で働き始める。
総菜屋の店主や一緒に働く者との出会い。
地元の友人や、退学した大学の友人。
決して一人ではない。
頼っていいと言ってくれる人には頼ってもいい。
聖輔は少しずつ力を取り戻していく。
かなりぐっとくる作品でした。
両親とも亡くしてしまい、途方にくれながらも、生きていく為に働き始めた総菜屋で、いろんな人に出会い、力を取り戻していく様子。
誰も一人では生きていけない。
必ず力になってくれる人はいるのだなぁと思います。
最初は暗くて重いなと感じたけど、最後は希望をもてる終わり方でした。