姜尚中著「心」。
発売当時に読みたい本のリストに入れてましたが、こんな時期になってしまいました。
3年ほど前に息子の高校の講演会に姜尚中先生がおいでになり、その時に数冊読んだことがありましたが。

姜尚中は、本のサイン会で、大学生の西山直広と出会う。
彼から手紙をもらったことを機に二人のメールでのやり取りが始まる。

彼は親友を亡くし、生きることの意味を見いだせないでいた。
こんなに若くして死ぬなんて、生きることは無意味なのではないか、そもそも生まれたときから死にむかうカウントダウンが始まっているのに、人はなぜ生きていくのか…このようなやり取りが続きます。
そんな中、東日本大震災がおこり、直広は海に潜り遺体をひきあげるボランティアにたずさわります。
想像を絶する日々の中、たくさんの死を目にし、少しずつ生きることの意味を見いだしていきます。

生と死は隣り合わせ。
生きるとは、死を包括しているからこそ、輝いてくる。

作中に聖書の一節が記されていて、私の好きな言葉がありました。

生まるるに時があり、死ぬるに時があり、植えるに時があり、植えたものを抜くに時があり、殺すに時があり、いやすに時があり、こわすに時があり、建てるに時があり、泣くに時があり、笑うに時があり、悲しむに時があり、踊るに時があり…(伝道の書)

悲しみにうちひしがれていると、この言葉は身にしみます。
生死についてまたもや深く考えさせられました。

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とある場所にて、サインをいただくことができました。
右側に私の名前入りで✨