平野啓一郎著「ある男」
次男を病で亡くした里枝は、夫と離婚し長男と実家のある宮崎へと戻る。
そこで知り合った谷口大祐と後に再婚し、長女をもうける。
だが、彼は職場の事故によりこの世を去ってしまう。
生前、彼は実家との折り合いが悪く、縁をきっており、結婚のことも子供のことも一切を実家には知らせていなかった。
だが、妻の里枝は、亡くなってしまったことは、たとえ絶縁していても知らせるべきだろうと、夫の実家へ連絡する。
夫の実家からは兄がやってくる。
弟の遺影を見た兄は「これは弟の大祐ではない。他人だ。」と衝撃の発言をする。
混乱した里枝は、前夫との離婚のときに世話になった、弁護士の城戸へ相談する。
城戸は谷口大祐と名乗っていた人物の実態をさぐりはじめる。
谷口大祐はいったい誰なのかが気になり、一気に読みました。
最終的に誰であるか分かりますが、その事実に納得し、最後の数ページでの、里枝と長男とのやりとりには涙が出ました。
多方面から深く考えさせられた作品でした。