島本理生著「ファーストラヴ」
直木賞受賞作です。
この作家さんの作品を読むのはこれで2冊目。

就活中の女子大生聖山環菜は、就職の二次面接中に体調を崩し、途中退席。
そのまま画家である父が勤める美術学校に行き、女子トイレへ父を呼び出し、包丁で刺す。
自宅に戻り、母と言い争いになり、顔や手に血がとびちった状態で飛び出し、それを不審に思った通行人に通報され逮捕される。
環菜は、なぜ父を刺したのか、自分でもわからないと供述している。

臨床心理士の真壁由紀のもとに、この事件について、環菜の半生を臨床心理士の視点から本にするという話が舞い込んでくる。
由紀は義弟で、環菜の弁護人の庵野迦葉とともに、事件の真相にせまっていく。
環菜が父を刺したという背景には、幼少の頃からの、家庭環境があった。
殺したくて刺したのか、それとも…

子供の時は、自分の家庭こそが基準になっていて、それを他人の家庭と比べて、何かおかしいのかと思うことは、幼ければ幼いほど難しいと思います。
いわゆる、身体への虐待であればわかりやすいけど、精神的な虐待だと、洗脳状態のようになり、より一層難しい。
ずいぶん大人になって、一歩引いて、あの頃のあの状態はそうだったのかと思い当たることがあるかもしれません。

重い内容の作品でした。
読みやすいので数時間で読んでしまったけど、とても疲れました。