垣谷美雨著「定年オヤジ改造計画」
定年退職した常雄は、大学卒業後から一つの企業で頑張って働き、これからは、ゆったりと暮らし、妻の十志子と旅行にでも行こうと晴れやかな気持ちでいた。
しかし、十志子は体調が悪いと相手をしてくれない。
ある時、息子夫婦から頼みごとをされる。
息子嫁が仕事をするので、孫二人の保育園のお迎えをして、そのまま息子夫婦のマンションで、嫁が帰宅するまで孫の面倒を見てほしいというのだ。
もちろん十志子は断る。
結局しぶしぶ常雄が引き受けることになる。

常雄は典型的な昔ながらの男性。
妻は家事育児さえしていればよくて、こんなラクなことはないだろうと今までずっと考えてきた。
だが、妻の十志子が、「夫源病」だと知り、このままでは熟年離婚されるかもしれないとあせる。
そして、毎日孫の世話をしていくうちに、少しずつ自分の考えがまちがっていたことに、気付き始める。
自分の息子もまた、自分と全く同じ封建的な考えを持っていると知り、息子の目を覚まさせようとする。

私の周りを見回しても、常雄のような男性が多いのではないでしょうか。
我が家の夫もそうです。
まだ専業主婦で子供が小さかったころ、「いいよな~三食昼寝付きで、かわいいわが子とずっと遊んでいられるんだから」と言われたことがあります。
まさに、本書に登場する男性と同じでした。
あ~心底腹が立つ。

男性は仕事がお休みの日は、本当の休みかもしれませんが、女性は仕事が休みでも、家事を休むことはできません。
これって、すごく不公平だと思いませんか?
働き始めて息子も大学生になってからは、日曜は朝食も昼食も作るのを辞めました。
これだけでも随分違います。

とにかく、封建的な考えの男性はなるべく早く考えを改めないと、妻に愛想をつかされるでしょう。
いや、既に愛想をつかされてる可能性が高いです。
今回の作品も、時代の流れをとらえた問題作だったと思いますが、楽しく読めました。