宮本輝著「長流の畔」
《流転の海》シリーズ第八部。首を長くして待っていました。

舞台は昭和38年ころ。
66歳になった松坂熊吾は会社の金を横領され、金策に走り回りながらも、別の会社をオープンさせる。
また、前作で別れた女と復縁するのだが、いまだに続いていて、妻の房江にばれてしまう。
房江は、これは夫婦の問題だから、決して息子にはいってはいけないと、頭ではわかっているものの、
息子伸仁に泣きついてしまう。
そんな中、夫婦に縁のあった人が次から次へと亡くなっていき、なんとも言えぬ暗いものが、房江の心を大きく占めてしまい、ついに自らの命をたつ決心を固める…

第一部から読んでいますので、あんなに小さかった伸仁が、今では息子と同じ高校三年生です。
そして、この小説は、宮本輝さんの自伝的小説です。
伸仁は宮本輝さんということなんですね。
彼は思春期に、なんと壮絶な体験をしたのかと驚きました。

後半は、房江と伸仁の気持ちに共感してしまい、涙がとまりませんでした。
この長い作品も、あと一作で終わりを迎えます。
楽しみだけど、寂しいです。