乃南アサ著「いちばん長い夜に」。
「いつか陽のあたる場所で」「すれ違う背中を」に続くシリーズ完結編です。
前科持ちの芭子と綾香の二人の出所後の生活をえがいてあります。
今回の作品では、綾香の一人息子がどうしているのかを探る為に、芭子が仙台へ一人向かう話が中心となります。
読み進めていくうちに、この仙台の場所が、我が家が住んでいた付近を設定として描かれている事に気づきました。
読みながら、目の前にその情景が浮かんできて、とっても懐かしかったです。
ですが、途中からこれは、東日本大震災の日のお話になっていき、とても苦しくなりました。
とてもリアルに描かれていたのですが、あとがきを読んで、作者自身、取材の為、東日本大震災の日に仙台へ行っていたという事が分かりました。
東日本大震災によって、芭子は運命の人に出会い、自分の過去を告白して新たな道を歩み始めます。
また綾香もこの震災によって、新たな出会いがあり、進むべき道をみつけます。
この作品を読まなければ、罪を犯した人のその後の生活にまで思いを巡らせる事などなかったと思います。
本来なら重い内容の話ですが、これは明るく前向きになれるような、そんな作品でした。
