大坊珈琲店
狭い階段を登りはじめると、
珈琲の香りが降りてきました。
重い扉を開けると
珈琲の香りを浴びました。
午前中には
カウンターの中に座って
珈琲豆を焙煎するマスターの姿を見ることができました。
ゆっくりゆっくりゆっくり・・・・。
豊かな珈琲の香りが満ちる空間でした。
レイモンドチャンドラーやフレデリックフォーサイス、
単色の絵画、抹茶椀ににたカフェオレボウル、
茶色の木のテーブル。
若かったわたしの目に
渋くまぶしく映る大人の男女が
黙って珈琲を飲んでいました。
大坊珈琲店は
大人ばかりの街に住んでいた
若かったわたしでも
ほっとできる空間でした。
頻繁に足を運んでいたのは
近所であったからだけではなく、
珈琲がすこぶるおいしいからだけでもなく、
珈琲を飲むだけの空間なのに
お客様たちが満足を感じている表情だったからでした。
その場にいることに
ほんとうに皆満足そうでした。
きっとそれぞれのサンクチュアリなんだ、
あの頃わたしはそう思いました。
ひさしぶりに行こうと思っているうちに、
昨年末で大坊珈琲店は姿を消しました。
サンクチュアリから砂の城になった
大坊珈琲店の本をみつけました。
もうすぐ届きます。
スーパーマーケットから自宅に帰る道の途中で、
狭い階段を登って重い扉を開け、
サンクチュアリでいろいろなことを考えた、
若くて誰にも本音をいわなかったわたしを
もう思い出せないけれど、
考えていたことだけは思い出すことができます。
せつないほどなつかしいです。
成文堂新光社 「大坊珈琲店」（クリックすると詳細を見ることができます）
このイベントも行きたい。でも無理かな・・・。
お時間ある方はいかがですか？
＊大坊珈琲店のマニュアル
自家焙煎とネルドリップの変わらぬスタイルで、38年間コーヒーと向き合っておられた大坊勝次さん。
コーヒー好きに愛された名店でした。
今回は、講演会スタイルではなく、実際に大坊さんが皆様にコーヒーを淹れるところから始めます。コーヒー抽出のポイントなどお話しし、5名様ずつコーヒーを淹れます。順番にご案内します。（人数分淹れるのに時間がかかりますが、ご了承下さい）
じっくり香りと味を確認してください。
講座後半では、皆様の質問にお答えしながら、お店のこだわりなどについてもお話しします。
大坊珈琲店で使っていた器、鍋、焙煎機、店内の写真などを教室に展示いたします。
日時：2014年10月11日（土）11:00～13:00
場所：ＮＨＫ文化センター横浜 ランドマーク教室
住所：横浜市西区みなとみらい2-2-1 ランドマークプラザ5Ｆ
電話：045-224-1110
くわしくは
NHK文化センター横浜ランドマーク教室のホームページをご覧くださいね。
おいしい珈琲が飲みたくなりました。ブレッド＆サーカスでした。