我が家の子供たちは元祖(と思うが)ファミコン世代だ。私たち夫婦は共に近視だ。子どもたちもいずれは近視になるのでは?と覚悟はしているが、その時期はなるべく遅らせたい。ファミコンは目に良くないだろうし、夫は根っからの体育会系人間。「子どもは外で身体を動かして遊ぶもの」という考えだから、ファミコンなんてとんでもないことだった。ただ、それが通用したのは長男が幼稚園に入園するまでだった。

 

 幼稚園でお友だちができ、彼はそのファミコンの存在を知ることとなった。友人宅での遊びがそれはそれは面白かったようで、間もなく

「ファミコンが欲しい」

が始まった。私たちはノーを出す。夫は言葉だけでなく、休みの日には子供たちを公園やプールに連れて行ってよく遊んだ。夫は休日ゴロゴロ、という姿はなく、子どもと一緒に遊ぶのが大好き。フットワークもいい。そこは私も尊敬するところだ。

 

 しかしある日、私は決定的な場面に出くわしてしまった。幼稚園にお迎えに行った日のことだ。長男の前を歩く二人の男の子。二人は互いに肩を組んでいる。まるで長男を寄せ付けないように。後ろから

「今日遊べる?」

と何度も聞く長男を遮るようにして

「オレんちで遊ぼうぜ」

「オレ、ロックマン持っていく」

「マリオもやろう」

ゲームソフトを持ち寄って、ファミコンで遊ぶ約束をしているのだ。持っていない子は輪に入れないのだ。私は

「おい!聞け!」

って怒鳴りたかった。

「無視するな!」

って叫びたかった。でも彼らがそれに応えて

「だってさ、翔太君さ、ファミコン持ってないんだもん」

って言ったらもっと辛いかも。

他の遊びが好きな子に声をかければいいのに、と私は思うのだが、当時はどの仲間も同じようにファミコンにはまっていたようだ。

 

 その夜、早速夫にその話をした。

「買うんなら、ちゃんと約束事を決めないとね」

「でもあれはきっとやり始めたら、はまるよ。時間制限なんてなかなか守れないよ」

「最後には親が無理やりスイッチOFFすることになる」

「親が見張り役になるという仕事が増える」

「誕生日が近いから、せめてその日に」

などなど、悶々としながらも買うしかないかな?の方向に私たちは進み始めていた。

 

 突然に救世主は現れた。すぐそばに住むひいおばあちゃんだ。夫の祖母であるひいおばあちゃんは結構な頻度で我が家を訪れていた。これといった用事があるわけでもなく、ただただ初孫である夫の3人の子どもがかわいかったのだと思う。ある友達がファミコンを持って我が家に遊びに来てくれた時、ひいおばあちゃんはその様子を見ていたらしい。ひ孫がとっても楽しそうにしているその姿を。

「翔太は持っていないのかい?」

「うん……」

「じゃあ、ひいおばあちゃんが買ってやろう」

そんな会話があったかどうかは知らないが、ひいおばあちゃんはある日大きな箱を抱えてやってきた。長男が大喜びしたのは間違いない。

 

 その後、長男は、親の言いつけを守って遊んだ。(ある時期まではね)次男は、4歳で既にファミコンを手にできた。長女はあまり興味がなかったようだ。(周りを見てもファミコン好きは男子が多いようだ)

 

 お父さんとお母さんがファミコン反対だったのを子どもたちは理解していたようで、地味~に遊んでいた。時間も守った。中学生になった時にはもう無理だったけどね。私だって、四六時中子どもと時間を共にして監視なんてできないし。

 

 私は思いました。両親としてはどうしても子供に持たせたくないが、やむを得ず与えるものがある時は、お金をこっそり渡してでも祖父母や層祖父母に買ってもらう、ってのはどうでしょう?親は反対なんだ、を強くアピールし、「約束もしっかり守れなければ、おじいちゃん、おばあちゃん(はたまた、ひいじいちゃん、ひいばあちゃん)に返すよ」ってこともありだと。

 

 さて、もともとゲームが嫌いな夫だから、なおさらのこと彼がファミコンに触った姿は見たことがない。ましてや親子対決なんてことはなく、今に至っている。

 

1台目のハードルより2台目ってぐっと下がる……。

親の信念はユルユル?

2台目のこの機種はサンタさんが買ってくれたてへぺろ