何といってもつわりがひどかった。1日中なんとか水分だけは無理をして口に入れたが、食欲もなく、体重も5キロはあっという間に減った。妊娠10週の頃だ。
「次回の検診で、これ以上体重が落ちるようだったら入院にしますね」
とお医者さんに言われた。
1日がとてつもなく長かった。毎日毎日それは続いた。身体を起こすとトイレに直行だ。
夫も義母も心配をして実家に帰るよう言われた。ところが、実母は
「とにかく自分の家にいなさい。近くにはひいおばあちゃんもいるでしょ?留守の時にやってくるかもしれない。つわりは病気じゃないんだから、それごときで実家に戻ってはいけない」
と言って私を受け入れなかった。いやぁ、母は徹底していたなぁ。
「そのひいおばあちゃんもお義母さんも『実家にいたら安心だから』って言っているんだよ」
と心で反論しながら、私は父の車で自宅に帰された。それに、母がそこまで言うのに反抗して実家に居座るのも嫌だった。
今では母は、すっかり柔らかくなり、
「beachan、いつも悪いねえ。いつもありがとう」
が口癖だ。小さかったころの厳しかった母の話を子どもらにすると、
「えぇ~、おばあちゃん、優しすぎなのに、信じられない」
と言われる。子どもが大好きな母、我が子に関しては熱が入りすぎた。私は自分が母になってからようやく、今までの母の言動を理解し、それらに感謝するようになった。
つわりは出産まで続いたが、本当にひどかったのはひと月半ほどだったろうか?
子育てを楽しみたかった私は夫と
「できれば3人は欲しい」
と決めていた。
出産直後に思ったことは、子どもを持てた喜びよりも
「あぁ、これで三分の一が終わった」
だった。私らしいわ。
