酷暑の毎日。やっぱり確実に気候変動が起こっている。私が子育てしていた頃、夜寝るときにエアコンをつけなくても済んでいたのだから。我が家、実は寝室にエアコンがない。数年前から私はエアコンのある部屋にせっせと布団を運んでそこで眠るようになった。還暦までは私も何とか踏ん張っていた。が、 高齢者となった今はエアコンは大事だと思っている。
心配は義父と実母と夫。義父は未だに
「エアコンつけなくても暑くない」
を通している。私は絶対危険だと言うが、聞いてはくれない。夫もあきらめている。というか、夫もエアコンなしで寝ているのだから頑固な似たもの親子だ。
実母は昨年まで寝室にエアコンがなかった。実家は50年前に建て、その頃流行ったセントラルヒーティングだった。それが次第に1台ずつ壊れ、居間だけに新たにエアコンを取り付けたのだった。それ1台で何とかなってきた。
近年、寝室にエアコンを取り付けようと提案をしてきたが
「扇風機で大丈夫」
と、母は自分を曲げなかった。ところが、さすがに昨年、暑くて寝苦しかったのか
「beachanはエアコンつけて寝るの?」
と聞いてきた。
「あったりまえだよ。熱中症で亡くなる人もいるんだから、おかあちゃんもエアコンの部屋で寝ようよ」
母がなんとなくその気になってきた。この機会を逃すまい、と私は説得に努めた。
「火事にならない?」
「そんなのなるわけないじゃん」
「ずーっと朝までつけていて大丈夫?」
「もちろん!」
ということで、昨年母は居間に布団を運んでエアコンの中で眠るようになった。そういえば、その昔は
「エアコンの音がゴーゴーうるさいから、夜はつけない」
なんて言っていたわ。室外機のことだ。耳も遠くなって、そちらも気にならなくなったのだろう。
今の暑さがやってくる直前のことだ。夫の友人が地方に住むご両親がご高齢ということで、同居することになったらしい。そこで、買って間もないエアコンを無駄にするのは勿体ないと譲ってくださることになった。夫が受け取りに車を走らせ、いつもの電気屋さんに設置をお願いした。
足腰が弱ってきている母、特に今年に入って2ヶ月ほど入院をし、布団での寝起きは無理になった。今年は私が居間に布団を運んだとしても、どうにもならないだろうなぁ、と悩んでいた矢先のことだ。手すりのついたベッドのある寝室にエアコンがついたことはこの上ない喜び。
その後、夫は
「おふくろさん、どうだって?」
と何度も聞いてくる。そのたびに
「喜んでいるよ、よく眠れるって」
と私は答える。
夫は人のために動くことが大好き。と言っても好みの作業だけだけれどね。私のために掃除、料理、洗濯はやってくれない。でも動きもスピーディーだし、私としては感謝している。母がこの夏、快適な睡眠で乗り切るためには大事なことだもの。
「新しいからわからない」
と言っていたリモコンの操作も例によって私の独自マニュアルで慣れてきたようだ。
最近のエアコンはおりこうさんで、停止した後にも「内部クリーン」みたいな性能がついているから本体にランプがついたままとなる。電源を入れると、まず2つのランプがつくのだ。消してもランプは1つが消えるだけ。それで問題ないのだが、母はどうもそれが気になるようだ。
「大丈夫だから!これは止まっているのよ。エアコンがおそうじしてくれているから、しばらくしたら、こっちのランプも自然に消えるから。最近のエアコンは私よりずっと頭がいいのよ」
で押し通している。
夫は、義母に親孝行ができたと有頂天。でも、義父と自分 のことも考えてくれーーーー。
