重厚な人間ドラマ『ザ・ホエール』(ネタバレなし) | ブラジリィー・アン・山田の活動日記『もう少しだけマシな理由』

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脚本家、演出家であるブラジリィー・アン・山田の活動日記です。主に、カレーや映画や変なグルメや宣伝のことを書いております。

 

念願の『ザ・ホエール』見てきました。

平日午前中の回なので、お年寄り多め。

見た方ならわかりますが、オープニングシーンはすこし気まずかった(苦笑)。

 

あることがきっかけに、自分の足では立ち上がれないほど太ってしまった男の物語。

死期が迫っていることを知り、10年間会っていなかった娘と再会する。

 

これがね、面白かった!!!そして、泣いた。。。

 

もともと舞台劇だったというのも納得のほぼワンシチュエーション。

まったく物足りなさを感じないのは、主人公が極度の肥満のため、外出することができない。

その設定がワンシチュエーションとの相性がよかったのではないでしょうか。

 

友人のアジア人女性看護師が、彼になんでこんな寄り添うのかと思ったら、

過去の関係が明らかになり、胸締め付けられる。

反抗期の娘、若い宣教師、元妻など、数少ない登場人物が複雑に絡み合います。

舞台脚本ならではの構成の巧みさ。

 

主人公は自分勝手な男です。でも、その自分勝手さが人間の業だなと愛おしく感じる。

 

ラストシーン、まさかあれとあれが繋がるととは!

これはやばいと思った瞬間に、号泣。

 

今年ベスト10、いやベスト5に入る作品に出会えました。

(もう一本は『逆転のトライアングル』ですけど!)