エレガントな悪趣味全開『逆転のトライアングル』 | ブラジリィー・アン・山田の活動日記『もう少しだけマシな理由』

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脚本家、演出家であるブラジリィー・アン・山田の活動日記です。主に、カレーや映画や変なグルメや宣伝のことを書いております。

 

パルムドール受賞の『逆転のトライアングル』見ました。

 

これが、むちゃくちゃ面白かった!

個人的には、ベスト級。悪趣味全開なので、ゲ○が嫌いな人にはおすすめできません。

 

主人公は売れない男性モデル。その恋人は売れっ子インフルエンサー。

そんなふたりが超セレブの集まる豪華船に乗って、沈没。

無人島へ漂流すると、サバイバルに長けたトイレ清掃係が逆転して、キャプテンになるという話。

 

ある意味、よくある設定ではあるのですが、

1シーン1シーンが皮肉に満ちていて、強烈すぎる。

自らをクソ売りと称す肥料でボロ儲けしたロシア人や、温厚そうな老夫婦が武器商人だったり、「かわいそう!あなたたちももっと楽しんで!」と、大金持ち夫人の命令で、乗組員たちが無理やり海で泳ぐ羽目になったり、豪華な料理に浴びせられる大量のゲ○、「これ、うちの製品じゃない?」には笑った。

 

ラストシーンが鮮やかな切れ味。

最後に全速力で走っているのは、どういう意味だったのか?

今もずっと反芻しています。

 

 

この感覚ってなんなんだろうと思ったら、テリーギリアムの代表作『未来世紀ブラジル』だ。