仮面ライダーZERO(ゼロ)
第九話
「調理場は大戦場!? 地獄の調理実習」
「仮面ライダートリロバイト」以来、源五郎に次いで舞華も久々に登場し、スピンオフとしての面子(メンツ)が、熊田のおやっさんに次いでここに登場した。
しかし基本、源五郎と舞華は雷太らと馴れ合うことは全く持って皆無(かいむ)に等しいものだった…。
一体普段はどこで何をしているのか、源五郎と舞華…。
一方、敵であるデッドヘルザーの本拠地内部では、と言うと…
デッドヘルザーの現行ボスを務める女首領ヴァイゲル。
そしてそんな彼女はシャワーを浴びていた…。
ジャ~~~~~~~~~…
そしてヴァイゲルはシャワーを浴びる最中、心で何かを呟き始めた。
「ゼロ。漢堂雷太…。
ヤツが私に触れる度(たび)にあのような様になるとはな…。
フン…だがまぁいい。
ヤツを再び我らの仲間に入れる絶好のチャンスだ。
今度こそヤツを…」
そしてシャワーから出始めるヴァイゲル。
それも、何故か半裸の状態のままで…(パンツとブラのみをつけたまま)
そして、そんなヴァイゲルを待ち受けるかのように現れる…新たな怪人、ヘルザー五体衆。
「ヴァイゲル様。早速やって参りました。
って、ヴァイゲル様…そのカッコは‥」
自分を見て赤面と化すヘルザー五体衆
を見てヴァイゲルは‥
「一体どうした? 顔を赤らめて…。
!? スマン、シャワールームを出てから半裸の状態だったな。」
ヴァイゲルは改めて、普段の黒いインナーTシャツや黒いミニスカートのようなものに紺色のマントジャケットを着た。
そして改めて…
「ヘルザー五体衆か…。
まさかこんなに早くお前達が姿を見せようとはな。」
そしてヘルザー五体衆はこう言う。
「はっ! 我々は一向に遅々(ちち)として進まぬ我がデッドヘルザーの統一に身を注ぐべく、ここに姿を現しました!!
いつまでも我がデッドヘルザーの役立たずな怪人共に任せる訳にはいきません!!
そこで、我がヘルザー五体衆の内の、このオニオンヘルザーが出向く事に致しました!」
ヴァイゲルはこう言って自らと共に、オニオンヘルザーを地上に向かわせた。
「よし、この私と共に地上制覇の為に向かうぞ。」
自らと共に出動するヴァイゲルを前に、オニオンヘルザーはこう問い始めた。
「えっ!? ヴァイゲル様も地上に向かわれるのですか?」
するとヴァイゲルはこう答えた。
「…当たり前だ。
お前達だけに任せておいても、返ってまた犠牲が出るのは目に見えてるのでな。
それにヤツを生け捕る作戦を実行しようとして、失敗するのは目に見えている。
それに私は早くもヤツの弱点を見抜いた。
ゼロは私に任せて、お前達は地上制覇の為の作戦でも練(ね)れば良いだけの事だ。
これなら一石二鳥(いっせきにちょう)だろう?」
ヴァイゲルの言う事を聞いて納得するオニオンヘルザー。
「確かに…ですよね!」
そして美華達の学校。
今日は調理実習の時間がある日でもある。
だがそれは、料理が苦手な雷太にとっては…最悪の、地獄とも言える日であった。
「あぁ~…、今日は調理実習か‥
どこまでついてないんだろうなオラは。
かと言って時間が時間だし、一夜漬けすらも叶わないだろうな‥。」
そんな雷太を気にかける美華の友達の夏美達。
「一夜漬けはよくないわよ雷太。
幾ら料理が苦手でも、やっていればなんとかなるって。」
しかし自分にはどうせ料理は無理だと思い込みながらもまた更に気を落としそうな雷太を相手に慰(なぐさ)め始める、恵と春奈と沙羅。
「元気出してよ雷ちゃん。」
気を切り替える雷太。
「あ、ゴメンつい…。」
そんな雷太を見て、美華はこう言う。
「あんたも幸せもんよね雷太。」
その一方、学校内の調理場ではオニオンヘルザーとそのもう一人の女子高生(ヴァイゲル変装体)による謎の調理計画が行われていた。
「完成したか、オニオンヘルザー。
お前が作ったこの特殊料理をこの学校中、もとい全世界中の人間共に食べさせれば、洗脳されたも同然だ。」
その後ヴァイゲルは、学校の校内放送を電波ジャックしたかのように乗っ取り、校内放送にて、3~4時間目の調理の時間は廃止したと言わせ、そして今日の給食においてスペシャルメニューを用意したと言った。
そして給食の時間、早速その用意されたスペシャルメニューをご馳走する女子生徒達だが、雷太と美華だけは何故かそのスペシャルメニューをご馳走しなかった。
何故なら、校内放送を通しての電波ジャックを聞いたときから、雷太と美華はそれを不審に思っていたからだ。
「何だかおかしいわよね。
なんで急に今日の2時間目の最中に校内放送が出てきて、しかも今日の給食にスペシャルメニューを導入、みたいな事が告知みたいに入って来てんのかしらね。」
と発言し、給食に入ったスペシャルメニューを口にしない美華。
更に雷太もまた、美華と同じくスペシャルメニューを口にしなかった。
「…確かに、あの校内放送はどう聞いても怪しい。
…!?みんなの様子が可笑(おか)しいな。」
雷太の言うように突然動きが止まり出す女子生徒達。
そして優子先生も同様に動きが止まりだした。
用意された給食のスペシャルメニューを皆が口にした為か、動き的に停止する学校中の者達だが、雷太と美華はそれを口にしなかった為に、当然ながら正常のままだった。
しかも皆の様子としては、なんと…
「我らはデッドヘルザーの為に。」
まるで何者かに洗脳されたように狂い始める学校中の生徒とその先行達。
しかも一方的にさっき言った台詞を何度も吐くばかりである。
そんな状況を迎えた為に、洗脳された自分の友達を心配する美華。
「大丈夫?どうしたの?
夏美、恵、春奈、沙羅!!
ねぇみんな、先生も!!」
美華の呼びかけに全く反応しない先生とその生徒達。
そして、何故か欠席になっていた筈(はず)の源五郎と舞華の二人が、今更ながら突然顔を出してきた。
「やはりな、これもデッドヘルザーの仕業と言うものか。」(源五郎)
「しかもヤツは調理場を占拠して、何か特殊な料理を作り出し、それを学校の給食に導入させ、生徒や教諭、更に理事長にもそれを食べさせた。
おかげでみんな洗脳された。
デッドヘルザーのいるところまで向かわねばな。」(舞華)
そんな二人の突然の出現と、二人の発言により、やむなく今回の事件の発生場である調理場へ向かう雷太と美華。
「ありがとう…。
て言うか源五郎さんに舞華先輩も、私達に報告する前にこの騒ぎを起こしたデッドヘルザーと、先に戦えば良かったのに…。
それにヤツらの場所だってちゃんと把握しているんだったら直接戦えば良かったのに、どうしてあなた達は戦わなかったのかしら…。
あなた達も元はと言えばあの仮面ライダーなんだし。
まぁ、別に手柄とかの問題じゃないけどね…。」(美華)
そして源五郎はこう言って美華達を調理場へ向かわせた。
「早く行け。
俺達はかつてヘルズ帝国なる悪の一味と戦った戦士だ。
そんな俺達が今成すべき事は、デッドヘルザーと戦う事ではない。
デッドヘルザーと戦うお前達を支援する、ただそれだけのことだ。
まぁ本格的なピンチを迎えれば、その時はその時で考えてやるがな。
それに今回のデッドヘルザーは、弱点さえ分かればなんとか倒せる相手なんだが、未だその弱点が見つかっていない。
今俺と舞華がまともにそいつと戦っても、簡単に負けるだけだ。
だから弱点が見つかるまでの辛抱(しんぼう)として、それまでの時間稼ぎを願いたい。
それに今回のデッドヘルザーは、ヘルザー五人衆を名乗る奴だ。
そして今回その内の一人が、今この学校内の調理場を占拠している所だ。」
そんな源五郎の言う事に対し、美華は、
「弱点? 要は弱点以外の攻撃は、今回新しく出て来たヘルザー五人衆って言う新たな怪人には通用しないって事かしら…。
何だか分からないけど、行ってみるまでよね、ここは…。」
と言いつつも、雷太と共に調理場へ向かって行った。
そして源五郎はこう言った。
「しかしあのデッドヘルザー、ヘルザー五人衆の内の一人を名乗っていたが、ヘルザー五人衆とは一体、何者なんだ…?」
それを聞いた舞華はこう問う。
「新種のデッドヘルザーか? もしかしたらそうなのかもしれないな…。」
そして学校内の調理場。
早速ここはヴァイゲルとその配下のヘルザー五人衆の一人、オニオンヘルザーが占拠していた。
そんな調理場へ早速やってきた美華と雷太。
「やはりヴァイゲル! それにデッドヘルザー!!
お前らの仕業だったんだな!!」(雷太)
「妙なものみんなに食わせ、その上みんなを洗脳させるなんて随分卑劣なマネを!!
みんなを元に戻しなさい!!」(美華)
「フン! だがそれより、一体どうやってここが分かった?
秘密を知られたからには生かしてはおけん!!」(ヴァイゲル)
「そうだ!」(オニオンヘルザー)
「源五郎さんが教えてくれたのよ。
あんた達がこの調理場を占拠して、スペシャルメニューを作り、それを学校の給食に導入させていたってコトをね!!」(美華)
「チッ、カウンターライダー…よくもこんなところまでジャマを!!
オニオンヘルザー、やれぇっ!!」(ヴァイゲル)
「お任せつかぁさい。
皮むき噴出液攻撃!!」(オニオンヘルザー)
ブチャァッ!!
オニオンヘルザーの攻撃をマトモに受けて目を痛め出し、涙を流す雷太と美華。
「キャッ、何これぇ、目が痛いわ!!」(美華)
「目、目が…染みる…!!
これじゃあマトモに、目が開けられねぇよ…。」(雷太)
そんな二人をあざ笑うヴァイゲル。
「アハハハハッ、しかもオニオンヘルザーは、ヘルザー五人衆の内の一人。
これまでのデッドヘルザーと同じと思ったら大間違いだ!!
生半可な攻撃ではこいつには勝てない!!
ゼロ、これぐらいの事、貴様なら分かるだろう?」
ヴァイゲルの妙な台詞(セリフ)を聞いた雷太=ゼロはこう言った。
「何のことだ…?」
そんな惚(とぼ)けたような言い分の雷太を相手に、ヴァイゲルは自らの怒りを逆上させながらこう言った。
「惚(とぼ)けるな! 貴様は元々我らの仲間。
我がデッドヘルザーの事すら忘れるとは、随分と不届きなヤツ!!
貴様には、今度こそ目を覚まさせてやる!!」
雷太もまた、更に怒りを込み上げ始めた。
「だったらそっちはどうなんだ?
お前らのほうこそ、単にふざけきってるだけなんじゃないのか?
前々からオラの事をお前らの仲間にしようとしてるみたいだけどよ、オラは一体いつからお前らの仲間になったんだ?
悪に身を委ねた覚えなんかないのによ、おごがましいマネばっかりしてくれるじゃねぇか!!
ハッキリ言って最悪だ!! 今日こそお前らぶっ倒してやるからな!!
特にヴァイゲル! お前も倒す!!」
しかし、そんな雷太の怒りを前にヴァイゲルは突然笑いだし、後に怒りを露わにするばかりである。
「フッ、アハハハハハハッ‥
貴様はまだ何も分かってないようだな、ゼロ。
今の貴様に、そしてこの理不尽なだけの社会如きに、正義等が存在するとでも思ってるのか?
しみったれた正義が! そんなものは無価値だと言う事を今に教えてやる!!
正義などと言う茶番(ちゃばん)は、よもや此処(ここ)までだ!!
そんな世界は今すぐ滅ぼした後に、革命の為に更正すればいいだけの話だ!!」
雷太はまた怒り出し、ヴァイゲルに殴りかかろうとした。
「何だと!!」
しかしヴァイゲルはそんな雷太に平手打ちをかました。
「うるさい!!」
パチィンッ!
「うわっ!!」
ヴァイゲルの平手打ちを受けて吹き飛ぶ雷太。
そんなヴァイゲルを相手に美華は、
「もう怒ったわ女組長!
それにデッドヘルザーも、もう容赦しないわよ!!
そりゃあ!!」
ベチャアッ!!
美華はちょうど台に置いてあったマヨネーズを攻撃に使い、それをヴァイゲルとオニオンヘルザー相手にぶっかけた。
「うわっ、」(ヴァイゲル)
「にょわっ!」(オニオンヘルザー)
果たして、この勝敗の結果は?
次回
仮面ライダーZERO(ゼロ)
第十話
「ノスタルジック・ゼロ」
第九話
「調理場は大戦場!? 地獄の調理実習」
「仮面ライダートリロバイト」以来、源五郎に次いで舞華も久々に登場し、スピンオフとしての面子(メンツ)が、熊田のおやっさんに次いでここに登場した。
しかし基本、源五郎と舞華は雷太らと馴れ合うことは全く持って皆無(かいむ)に等しいものだった…。
一体普段はどこで何をしているのか、源五郎と舞華…。
一方、敵であるデッドヘルザーの本拠地内部では、と言うと…
デッドヘルザーの現行ボスを務める女首領ヴァイゲル。
そしてそんな彼女はシャワーを浴びていた…。
ジャ~~~~~~~~~…
そしてヴァイゲルはシャワーを浴びる最中、心で何かを呟き始めた。
「ゼロ。漢堂雷太…。
ヤツが私に触れる度(たび)にあのような様になるとはな…。
フン…だがまぁいい。
ヤツを再び我らの仲間に入れる絶好のチャンスだ。
今度こそヤツを…」
そしてシャワーから出始めるヴァイゲル。
それも、何故か半裸の状態のままで…(パンツとブラのみをつけたまま)
そして、そんなヴァイゲルを待ち受けるかのように現れる…新たな怪人、ヘルザー五体衆。
「ヴァイゲル様。早速やって参りました。
って、ヴァイゲル様…そのカッコは‥」
自分を見て赤面と化すヘルザー五体衆
を見てヴァイゲルは‥
「一体どうした? 顔を赤らめて…。
!? スマン、シャワールームを出てから半裸の状態だったな。」
ヴァイゲルは改めて、普段の黒いインナーTシャツや黒いミニスカートのようなものに紺色のマントジャケットを着た。
そして改めて…
「ヘルザー五体衆か…。
まさかこんなに早くお前達が姿を見せようとはな。」
そしてヘルザー五体衆はこう言う。
「はっ! 我々は一向に遅々(ちち)として進まぬ我がデッドヘルザーの統一に身を注ぐべく、ここに姿を現しました!!
いつまでも我がデッドヘルザーの役立たずな怪人共に任せる訳にはいきません!!
そこで、我がヘルザー五体衆の内の、このオニオンヘルザーが出向く事に致しました!」
ヴァイゲルはこう言って自らと共に、オニオンヘルザーを地上に向かわせた。
「よし、この私と共に地上制覇の為に向かうぞ。」
自らと共に出動するヴァイゲルを前に、オニオンヘルザーはこう問い始めた。
「えっ!? ヴァイゲル様も地上に向かわれるのですか?」
するとヴァイゲルはこう答えた。
「…当たり前だ。
お前達だけに任せておいても、返ってまた犠牲が出るのは目に見えてるのでな。
それにヤツを生け捕る作戦を実行しようとして、失敗するのは目に見えている。
それに私は早くもヤツの弱点を見抜いた。
ゼロは私に任せて、お前達は地上制覇の為の作戦でも練(ね)れば良いだけの事だ。
これなら一石二鳥(いっせきにちょう)だろう?」
ヴァイゲルの言う事を聞いて納得するオニオンヘルザー。
「確かに…ですよね!」
そして美華達の学校。
今日は調理実習の時間がある日でもある。
だがそれは、料理が苦手な雷太にとっては…最悪の、地獄とも言える日であった。
「あぁ~…、今日は調理実習か‥
どこまでついてないんだろうなオラは。
かと言って時間が時間だし、一夜漬けすらも叶わないだろうな‥。」
そんな雷太を気にかける美華の友達の夏美達。
「一夜漬けはよくないわよ雷太。
幾ら料理が苦手でも、やっていればなんとかなるって。」
しかし自分にはどうせ料理は無理だと思い込みながらもまた更に気を落としそうな雷太を相手に慰(なぐさ)め始める、恵と春奈と沙羅。
「元気出してよ雷ちゃん。」
気を切り替える雷太。
「あ、ゴメンつい…。」
そんな雷太を見て、美華はこう言う。
「あんたも幸せもんよね雷太。」
その一方、学校内の調理場ではオニオンヘルザーとそのもう一人の女子高生(ヴァイゲル変装体)による謎の調理計画が行われていた。
「完成したか、オニオンヘルザー。
お前が作ったこの特殊料理をこの学校中、もとい全世界中の人間共に食べさせれば、洗脳されたも同然だ。」
その後ヴァイゲルは、学校の校内放送を電波ジャックしたかのように乗っ取り、校内放送にて、3~4時間目の調理の時間は廃止したと言わせ、そして今日の給食においてスペシャルメニューを用意したと言った。
そして給食の時間、早速その用意されたスペシャルメニューをご馳走する女子生徒達だが、雷太と美華だけは何故かそのスペシャルメニューをご馳走しなかった。
何故なら、校内放送を通しての電波ジャックを聞いたときから、雷太と美華はそれを不審に思っていたからだ。
「何だかおかしいわよね。
なんで急に今日の2時間目の最中に校内放送が出てきて、しかも今日の給食にスペシャルメニューを導入、みたいな事が告知みたいに入って来てんのかしらね。」
と発言し、給食に入ったスペシャルメニューを口にしない美華。
更に雷太もまた、美華と同じくスペシャルメニューを口にしなかった。
「…確かに、あの校内放送はどう聞いても怪しい。
…!?みんなの様子が可笑(おか)しいな。」
雷太の言うように突然動きが止まり出す女子生徒達。
そして優子先生も同様に動きが止まりだした。
用意された給食のスペシャルメニューを皆が口にした為か、動き的に停止する学校中の者達だが、雷太と美華はそれを口にしなかった為に、当然ながら正常のままだった。
しかも皆の様子としては、なんと…
「我らはデッドヘルザーの為に。」
まるで何者かに洗脳されたように狂い始める学校中の生徒とその先行達。
しかも一方的にさっき言った台詞を何度も吐くばかりである。
そんな状況を迎えた為に、洗脳された自分の友達を心配する美華。
「大丈夫?どうしたの?
夏美、恵、春奈、沙羅!!
ねぇみんな、先生も!!」
美華の呼びかけに全く反応しない先生とその生徒達。
そして、何故か欠席になっていた筈(はず)の源五郎と舞華の二人が、今更ながら突然顔を出してきた。
「やはりな、これもデッドヘルザーの仕業と言うものか。」(源五郎)
「しかもヤツは調理場を占拠して、何か特殊な料理を作り出し、それを学校の給食に導入させ、生徒や教諭、更に理事長にもそれを食べさせた。
おかげでみんな洗脳された。
デッドヘルザーのいるところまで向かわねばな。」(舞華)
そんな二人の突然の出現と、二人の発言により、やむなく今回の事件の発生場である調理場へ向かう雷太と美華。
「ありがとう…。
て言うか源五郎さんに舞華先輩も、私達に報告する前にこの騒ぎを起こしたデッドヘルザーと、先に戦えば良かったのに…。
それにヤツらの場所だってちゃんと把握しているんだったら直接戦えば良かったのに、どうしてあなた達は戦わなかったのかしら…。
あなた達も元はと言えばあの仮面ライダーなんだし。
まぁ、別に手柄とかの問題じゃないけどね…。」(美華)
そして源五郎はこう言って美華達を調理場へ向かわせた。
「早く行け。
俺達はかつてヘルズ帝国なる悪の一味と戦った戦士だ。
そんな俺達が今成すべき事は、デッドヘルザーと戦う事ではない。
デッドヘルザーと戦うお前達を支援する、ただそれだけのことだ。
まぁ本格的なピンチを迎えれば、その時はその時で考えてやるがな。
それに今回のデッドヘルザーは、弱点さえ分かればなんとか倒せる相手なんだが、未だその弱点が見つかっていない。
今俺と舞華がまともにそいつと戦っても、簡単に負けるだけだ。
だから弱点が見つかるまでの辛抱(しんぼう)として、それまでの時間稼ぎを願いたい。
それに今回のデッドヘルザーは、ヘルザー五人衆を名乗る奴だ。
そして今回その内の一人が、今この学校内の調理場を占拠している所だ。」
そんな源五郎の言う事に対し、美華は、
「弱点? 要は弱点以外の攻撃は、今回新しく出て来たヘルザー五人衆って言う新たな怪人には通用しないって事かしら…。
何だか分からないけど、行ってみるまでよね、ここは…。」
と言いつつも、雷太と共に調理場へ向かって行った。
そして源五郎はこう言った。
「しかしあのデッドヘルザー、ヘルザー五人衆の内の一人を名乗っていたが、ヘルザー五人衆とは一体、何者なんだ…?」
それを聞いた舞華はこう問う。
「新種のデッドヘルザーか? もしかしたらそうなのかもしれないな…。」
そして学校内の調理場。
早速ここはヴァイゲルとその配下のヘルザー五人衆の一人、オニオンヘルザーが占拠していた。
そんな調理場へ早速やってきた美華と雷太。
「やはりヴァイゲル! それにデッドヘルザー!!
お前らの仕業だったんだな!!」(雷太)
「妙なものみんなに食わせ、その上みんなを洗脳させるなんて随分卑劣なマネを!!
みんなを元に戻しなさい!!」(美華)
「フン! だがそれより、一体どうやってここが分かった?
秘密を知られたからには生かしてはおけん!!」(ヴァイゲル)
「そうだ!」(オニオンヘルザー)
「源五郎さんが教えてくれたのよ。
あんた達がこの調理場を占拠して、スペシャルメニューを作り、それを学校の給食に導入させていたってコトをね!!」(美華)
「チッ、カウンターライダー…よくもこんなところまでジャマを!!
オニオンヘルザー、やれぇっ!!」(ヴァイゲル)
「お任せつかぁさい。
皮むき噴出液攻撃!!」(オニオンヘルザー)
ブチャァッ!!
オニオンヘルザーの攻撃をマトモに受けて目を痛め出し、涙を流す雷太と美華。
「キャッ、何これぇ、目が痛いわ!!」(美華)
「目、目が…染みる…!!
これじゃあマトモに、目が開けられねぇよ…。」(雷太)
そんな二人をあざ笑うヴァイゲル。
「アハハハハッ、しかもオニオンヘルザーは、ヘルザー五人衆の内の一人。
これまでのデッドヘルザーと同じと思ったら大間違いだ!!
生半可な攻撃ではこいつには勝てない!!
ゼロ、これぐらいの事、貴様なら分かるだろう?」
ヴァイゲルの妙な台詞(セリフ)を聞いた雷太=ゼロはこう言った。
「何のことだ…?」
そんな惚(とぼ)けたような言い分の雷太を相手に、ヴァイゲルは自らの怒りを逆上させながらこう言った。
「惚(とぼ)けるな! 貴様は元々我らの仲間。
我がデッドヘルザーの事すら忘れるとは、随分と不届きなヤツ!!
貴様には、今度こそ目を覚まさせてやる!!」
雷太もまた、更に怒りを込み上げ始めた。
「だったらそっちはどうなんだ?
お前らのほうこそ、単にふざけきってるだけなんじゃないのか?
前々からオラの事をお前らの仲間にしようとしてるみたいだけどよ、オラは一体いつからお前らの仲間になったんだ?
悪に身を委ねた覚えなんかないのによ、おごがましいマネばっかりしてくれるじゃねぇか!!
ハッキリ言って最悪だ!! 今日こそお前らぶっ倒してやるからな!!
特にヴァイゲル! お前も倒す!!」
しかし、そんな雷太の怒りを前にヴァイゲルは突然笑いだし、後に怒りを露わにするばかりである。
「フッ、アハハハハハハッ‥
貴様はまだ何も分かってないようだな、ゼロ。
今の貴様に、そしてこの理不尽なだけの社会如きに、正義等が存在するとでも思ってるのか?
しみったれた正義が! そんなものは無価値だと言う事を今に教えてやる!!
正義などと言う茶番(ちゃばん)は、よもや此処(ここ)までだ!!
そんな世界は今すぐ滅ぼした後に、革命の為に更正すればいいだけの話だ!!」
雷太はまた怒り出し、ヴァイゲルに殴りかかろうとした。
「何だと!!」
しかしヴァイゲルはそんな雷太に平手打ちをかました。
「うるさい!!」
パチィンッ!
「うわっ!!」
ヴァイゲルの平手打ちを受けて吹き飛ぶ雷太。
そんなヴァイゲルを相手に美華は、
「もう怒ったわ女組長!
それにデッドヘルザーも、もう容赦しないわよ!!
そりゃあ!!」
ベチャアッ!!
美華はちょうど台に置いてあったマヨネーズを攻撃に使い、それをヴァイゲルとオニオンヘルザー相手にぶっかけた。
「うわっ、」(ヴァイゲル)
「にょわっ!」(オニオンヘルザー)
果たして、この勝敗の結果は?
次回
仮面ライダーZERO(ゼロ)
第十話
「ノスタルジック・ゼロ」