営業として、コストダウンの要望に応えるのは避けられないのが、
難しいところです。
私は、商社時代、担当する顧客が多かったことから、何年にもわたり、複数の会社と年間数十回の要望に対応してきたのですが、未だに、どれが正解だったのか、今でも悩むことがあります。
当然、コストダウン要望に対して、0回答が望ましいのですが、取引がある以上、応じないということはできない場合が多いにしてあります。
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コストダウンにおける条件交渉
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ある大手企業の購買係長、Mさんとの交渉の話です。
彼は強面で、物事を理詰めで話すタイプ。
その恐さは都市伝説のような話があるほどで、ある先輩がMさんから灰皿を投げつけられて、おでこに傷を負ったという話までありました。これはおそらく先輩が盛った話だと思いますが(笑)。
それくらい、恐れられていましたし、毎回、打ち合わせは理論武装と、
場合によっては、一休さん並みの、とんちが効いた返しをしていく必要がありました。
そんなMさんとの交渉がありました。
私は当時30代前半で、上司Iさんと役割を分担していました。
ある製品についてIさんが交渉した結果、安易にコストダウンを認めてしまったと聞き、私は納得いかなかったことがありました。
当時、血気盛んだった私はMさんと直接会い、恐る恐る交渉に入りました。
私 「Iさんがコストダウンを承認したが、私は納得していない。
担当者の私が稟議を上げない限り、承認はされない。」
Mさん 「分かった、あなたの理屈を聞くよ。」
私は、「え?マジで?」と、心の中で思いながら、
交渉の結果、コストダウンを取り下げてもらい、代わりに他の製品のコストダウン検討を検討することの譲歩することができ、その場は終わりました。
これは上司Iさんの面目を潰す結果となるのですが、彼は、無邪気に喜んでくれました。社内では私の評価が上がり、結果的には両社がハッピーな結果となりました。
しかし、10年以上経った今、Mさんの真意を考えると、彼の戦略にはまったのかもしれません。
彼の会社にも、私の会社にもメリットがあったとはいえ、彼の策略だったのかもしれません。なぜなら、私でなくても、上司であるIさんが断っても、彼はその譲歩案を引き出そうとしていたのではないかと思います。
ゆえに、そこらへんの
コストダウン交渉は、いつも正解が分かりません。
本来は、コストダウンに応じないというのがベストで、
自社の利益を1円でも多く確保
することが、営業としての正解だと思います。
皆さんは、コストダウンの要望にどう応えていますか?
相手の裏を読み取りながら交渉できていますか?
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございます。
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