ビジネスの世界で「決断する」という行為は、しばしば重大な意味を持ちます。
担当者であれ、管理職であれ、決断は常に難しいもの。なぜなら、それは自分が責任を取らなければいけないからです。特に営業は、数字で評価されるので、余計に辛い。
私自身も、担当だった時、管理職だった時などの経験含めて、その重圧はよく理解しています。
決断ができないと、責任逃れや他責に走ることがあります。
そして、肩書や他人の評価を気にしすぎると、自分が責任を負いたくない為に、決断せず、誰かに委ねてしまうということを、自覚せずしてしまうことも少なくありません。
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無自覚な責任逃れ
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商社時代の私にも、こんなエピソードがあります。
異動に伴い、残された部署の営業と上司に引き継ぎを行うことになりました。上司は営業所の所長でもありました。
私は引継ぎリストを作成し、上司、同僚のAさん、Bさんと一緒に打ち合わせを行いました。地域性や営業担当のキャラクター、ビジネスの濃淡を考慮しつつ、割り振りを調整しました。
打ち合わせが終わり、私が上司に最終確認を求めた時、意外な返答が返ってきました。
私 :「この引継ぎ内容で、所長として大丈夫ですよね?」
上司 :「違うんだよ。所長だろうが、担当だろうが関係なくて、重要なのはみんなが所長の立場になって、どう考えるかだよ。」
この発言は、まるで打ち合わせをひっくり返すかのような話でした。
その後、情熱というより、怒り交じりに似たような感じで、上司は精神論を話し始めました。メンバー全員が真剣に打ち合わせに取り組んでいたし、私はただの確認のつもりで聞いただけなのに、この発言には全員が驚きました。
そして、先輩Bさんからチャットで、一言
「支離滅裂」
という言葉が送られてきました。
その瞬間から、上司の話は全く頭に入らず、下を向いて笑いをこらえるのが精一杯で、その大事な精神論の話を覚えていません。
おそらく、上司にとって、自らの決断に責任を持つことは本能的に受け入れがたいことだったのでしょう。だから、みんなが所長なんだと怒ったのでしょう。
私も優柔不断なので、今思えば、その上司の気持ちはよくわかります。でも、誰かに責任とってもらおうというより、自分で決めて、仕事をする方が結果は出せるはずです。
経営者、管理職の仕事は、決めることが仕事がメインです。
皆さんの経験の中にも、無意識のうちにそうなってしまった瞬間や、そういう上司はいませんか?あなたも、そうなっていませんか?
自問自答しながら、自分はどうか?客観的に、俯瞰的に見ることが大事ですよね。
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