Byrds | とりたちのこえをきく

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自分用メモと感想置き場です。The Byrdsとか好きです。

Byrds/Byrds
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1973年作品。
マッギンが、当時のバーズとは別にやりたかった「オリジナルバーズ」のアルバム。

 

商業的なにおいがしまくりのこの作品、曲は各自が持ち寄り、みんなで演奏したよという構成になっている。
名義こそ「バーズ」だけれど、csn&yみたいな連名作品といった感がある。
オリジナル曲ばかりではなく、カバーも数曲含まれている。元々カバー曲で売れたバンドなのでそれはいいんだけれど、どうせならディラン曲もやってほしかったなぁ。

 

この5人がデビューした当時にやっていた、幻想的で瑞々しくて、青春の痛みを感じさせるようなフォークロックではなく、当時花盛りだったウェストコーストロック系かな。
若い頃に出来る音楽と、成長してから出来る音楽と言うものは違うんだよね。
この再結成バーズのアルバムは、経てきた年月相応の作品に仕上がっていて、好感が持てる。
各自の色と安定した実力を感じさせる作品集だけれど、決してとっ散らかっているわけではなく、統一されているといえば統一されている。
そこが良い点でもあるけれど、反面勢いに欠けている気がしてやや地味。
世間の期待が大きすぎて酷評されたらしく、当初予定されていたツアーも実現ならなかったそうだ。
残念だね。
良い作品だと思うんだけれど。

 

この作品で際立っているのが、ジーン・クラークの活躍とヒルマンのマンドリン!
11曲中4曲もリードボーカルをとるジーン・クラーク。リーダーであったマッギンや、自己主張の強いクロスビーが前面に出てきそうなものだけれど、「バーズ」にはジーン・クラークの存在が重要だったということなのかな。
マッギンはもう一つのバーズで忙しく、クロスビーはプロデューサーとして一歩引いた結果だったのかもしれないけど。
多くの曲で聴かせてくれるヒルマンのマンドリンは、素晴らしいの一言に尽きる。大好き。
あと、クロスビーの作品は苦手だなと感じる事が多いけれど、コーラスはやっぱり良い。

  

たった7・8年だけれど、大きく変わったメンバーの容姿もジャケットで拝めるよ。
ヒルマンのふわふわヤンキーパーマは素敵だと思います。
ジャケット写真の人物は右から、ジーン・クラーク、クリス・ヒルマン、マイケル・クラーク、デヴィッド・クロスビー、ロジャー・マッギン。

 

 

01. Full Circle - Gene Clark
02. Sweet Mary - Jacques Levy / Roger McGuinn
03. Changing Heart - Gene Clark
04. For Free - Joni Mitchell
05. Born To Rock'N'Roll - Roger McGuinn
06. Things Will Be Better - Chris Hillman / Dallas Taylor
07. Cowgirl In The Sand - Neil Young
08. Long Live The King - David Crosby
09. Borrowing Time - Chris Hillman / Joe Lala
10. Laughing - David Crosby
11. (See The Sky) About To Rain - Neil Young

 

 

 

ジーン・クラーク(4曲/オリジナル曲は2曲)

01はすごくバーズだし、すごくジーン・クラークです。ロードマスターにも落ち着いた別バージョンが収録されている。フルサークルというタイトルも深い。
03はボーカル弱し、だけど12弦ギターやハーモニカの演奏が鮮やか。アコギの演奏も良いけど、誰の演奏なんだろう?
そしてこのアルバム中一番好きな07は、ニール・ヤングのカバー。
本家のハードな感触とは全く違う、牧歌的でジーン・クラークらしいアレンジで素晴らしい、素晴らしいよ。ジーンの曲みたい。選曲もボーカルもコーラスも、演奏も何もかもが心に染み渡る名曲。
最後を飾る11もニール・ヤングのカバーだけれど、これもまた秀逸。やや力みすぎな感じもするけど。
 
カバー自体は大変良いし、上手く自分のものにしているけれど、良い曲をたくさん書けるジーン・クラークが何でヤングの曲を2曲も持ってきたのかな?商業的な狙いがあったんだろうか。

 

マッギン(2曲)

いつもの人との共作の02は、憂いを帯びたトラッド風の楽曲。マッギンらしくて良いね。
05はよほどお気に入りなのか、Father AlongとRoger McGuinn & Band(後のソロ)でもやっている。
3曲とも大体似たような、賑やかでいい感じに乱雑なアレンジだけれど、ここではバーズ面子がコーラスしていると思うと少し嬉しい。
リーダー格だったマッギンだけれど、このアルバムでは影が薄い。

 

ヒルマン(2曲)

ジョー・ララやダラス・テイラーといった、マナサス人脈との共作が2作品。
どちらもヒルマンらしい素敵な曲だ。
ロック色やや強め06は後のソロ作品等に近い作風だけれど、12弦ギターの音色が入るのでバーズらしい味付けになっている。(単純だけれど、もう12弦ギター=バーズって思い込んじゃってるので)
09は、軽快なイントロと間奏が最高!だいすき!そこだけ繰り返し聴きたい!短くて楽しい佳曲。

 

クロスビー(3曲)

焼き直しと人の曲かよ!やる気出せよ!と思ったら08は書き下ろしだった。ごめん。
If I Could Only Remember My Name収録版とはまた少々違ったアレンジの10は、Fifth Dimension~The Notorious Byrd Brothers頃のサウンドに近い幻想的な作品。マッギンのギターがサイケ風。
ジョニ・ミッチェルの曲である04も、クロスビー風味にラフに仕上げている。
08はボーカルも曲もかっこいいです。

  
マイケル・クラーク(なし)

「再結成バーズではマイケルじゃなくて、オレがドラム叩いてたんだよ!」って言ってる人の記事をどこかで見た気がする。そのドラマーの名前は失念してしまったし、真偽は不明だけれど。
01はマイケルっぽいし、04~06あたりの演奏は好き。