- ブリトウ・デラックス+2(紙ジャケット仕様)/フライング・ブリトウ・ブラザーズ
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1970年発表、2作目。グラム・パーソンズ在籍最後のアルバム。
R&B風のアレンジは消え、カントリー・ロック色が強まった。
ただ、全体としては失速した感が否めない。特に抑え気味になってしまったペダルスティールと、パラフィン紙一枚かけたようなボーカルが残念。しょぼくれとる。グラム・パーソンズが不調だったのが良く分かる。ファンとしてはそんな調子のボーカルも、魅力的(…な気がする)。
ヒルマンとのツインボーカルが聴けないのも残念。
ただそれをカバーするかのような、コーラスというよりもはや合唱が聴けるよ。
解説にも有るとおり、グラム・パーソンズ自体がもうやる気を失ってたのかなぁという気はする。アルコールやドラッグで心身の健康を損ない、ストーンズに夢中でブリトウズへの興味が薄らいでたんだろう。
前作の何曲かでドラムを叩いていたジョン・コーニールが脱退(アルコールとドラッグまみれのブリトウズに嫌気がさしたそうだ。まとも!まともすぎる!幸せに生きてくれ!)、後任にマイケル・クラークが加入。ヒルマンが呼んであげたのかな。
ついでクリス・エスリッジが抜け、バーニー・レドンが加入。彼がギター担当になったので、ヒルマンはベースに落ち着く。このメンバーと、ヒルマン旧知の仲であるジム・ディクソンにプロデュースをお願いしてできたアルバムがこれ。
前作のプロモーションツアーや、その後のギグはとにかくひどかったそうだ。
アルコールとドラッグでぱっぱらぱーになってたんだから、まあ当然か。ただ、エネルギーに満ちていて楽しかった(ヒルマン談)そうなので、本人たちは満足してたんだね。
アルバムを聴くと下手だとは思わない。
きらきらビーズで飾られたブリトウと、揚々と片手を挙げる給食センターのおじさん×5のジャケット写真は面白くて好き。
裏面の、片翼ずつ付いた2個のブリトウがかわいいね。安直過ぎて逆に好感持てますわー。
合掌ポーズにはどういう意味があるんだろう?
そして曲名邦題を併記しているが、本作は全部カタカナ表記にしただけなので、非常にさみしい。
Gram Parsons: vocals/piano
Ghris Hillman: vocals/bass/mandolin
Bernie Leadon: guitar/dobro
"Sneeky" Pete Kleinow: pedal steel guitar
Michael Clarke: drums
Leon Russell: piano (05,11)
Byron Berline: fiddle
Leopoldo C.Carbajal: accordion
Frank Blanco: percussion
Tommy Johnson: tuba
Buddy Childers: cornet/flugelhorn
producers: Jim Dickson & Henry Lewy
01. Lazy Days - Gram Parsons
(レイジー・デイズ)
リードボーカルはパーソンズ。調子は良さそう。
バーズ時代の「ロデオの恋人」では、アウトテイクになった曲。
ドラムがちょっとひっかかる。
ちなみにYouTubeで聴いたLazy Daysの冒頭部には、スペイン語?でナレーションが入ってた。これがオリジナルなのか!
02. Image of Me - Harlan Howard
(イメージ・オブ・ミー)
リードボーカルはパーソンズ。フィドルで豊かさが増している。
03. High Fashion Queen - Chris Hillman / Gram Parsons
(ハイ・ファッション・クイーン)
リードボーカルはパーソンズ。ホンキートンクピアノが楽しい、アップテンポな曲。
04. If You Gotta Go - Bob Dylan
(イフ・ユー・ガッタ・ゴー)
リードボーカルはパーソンズ。元気ないなぁ。
曲自体とアレンジは良いはずなのに。演奏も元気ない気がする。
05. Man in the Fog - Bernie Leadon / Gram Parsons
(マン・イン・ザ・フォグ)
リードボーカルはパーソンズ…だけど声は弱め、みんなで合唱。
アコーディオンや拍手・歓声のおかげでサーカスのような陽気さがある。たのしい。
メキシコ音楽風。
06. Farther Along - arr. Chris Hillman / Gram Parsons (Trad)
(ファーザー・アロング)
リードボーカルはパーソンズ。のどか。全体的に脱力気味なところとか、結構好き。
07. Older Guys - Bernie Leadon / Chris Hillman / Gram Parsons
(オールダー・ガイズ)
リードボーカルはパーソンズ。
かなりミック・ジャガー的な歌声で、最初耳にしたとき動揺してしまった。似てるよね?
ちなみにこの曲には、面白いビデオクリップが存在する。そこで見られるパーソンズのファッションも、ストーンズチック。なりたかったんだろうなぁ。
当時のパーソンズにどれだけ影響を与えていたか知ることができ、非常に興味深い。
08. Cody, Cody - Chris Hillman / Gram Parsons
(コディー・コディー)
リードボーカルはパーソンズ。コーラスとマンドリンがきれいな曲。
穏やかで気持ちが和らぐ。
09. God's Own Singer - Bernie Leadon
(ゴッズ・オウン・シンガー)
リードボーカルはレドン。作られたときはそうでなかったけれど、パーソンズの死後、彼のイメージとこの曲が重ねられたようだ。(墓にこの曲名が刻まれている)God's Own Singerはうちに帰っちゃたんだ。なんていう詞を書くんだ。
10. Down in the Churchyard - Chris Hillman / Gram Parsons
(ダウン・イン・ザ・チャーチヤード)
リードボーカルはパーソンズ。
後にヒルマンが、ソロで再演している。(弱々しい歌い方が、この曲のパーソンズみたい)
11. Wild Horses - Keith Richards / Mick Jagger
(ワイルド・ホーセス)
リードボーカルはパーソンズ。
死んじゃいそうなボーカルが曲に合い、良い味出してる。ストーンズバージョンよりも好き。
--- Bonus Tracks ---
12. Sing Me Back Home (Alternate Take) - Merle Haggard
(シング・ミー・バック・ホーム)
リードボーカルはパーソンズ。
きらきらしたギターの音がいいね。
13. I Shall Be Released - Bob Dylan
(アイ・シャル・ビー・リリースト)
リードボーカルはパーソンズ。演奏を途中でやめているので、リハーサルテイクかな?