- イージー・ライダー/ザ・バーズ
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1969年作品、8枚目。タイトルにもなっている「イージーライダー(Ballad of Easy Rider)」は、あのアメリカンニューシネマ「イージーライダー」のために書かれたもの。映画のような広大で殺伐とした雰囲気のアルバム…と思いきや、むしろ前作「バーズ博士とハイド氏」よりも穏やかなカントリーロックだった。日向に出しておいた水くらいの温度。
まあ、ジャケットから受ける印象に大体合ってるよね。
青空の下、鉄砲片手に鉄馬にまたがるおじさん。誰だかわからないけど良い笑顔。つつましい紙面の使い方。
メンバーは前作と変わらず。(が、アルバムリリース前にジョン・ヨークは首ちょっきんされてしまいました。何が原因だったんだろう?)
前作と違うのは、各々がリードボーカルを取っている曲があること。これは嬉しい。
そして解説を読む&一通り聴けば分かるとおり、マッギンあんまりやる気ない。別の仕事が忙しかったようだ。
しかし、この時期のマッギンの声が、わたしは一番好きです。01や04で聴かせてくれる硬派な感じがたまんないよね。
余談だけれど、映画「イージーライダー」中、バーズ名義の曲が1曲(Wasn't Born to Follow)・マッギンソロ名義の曲が2曲(It's Alright Ma (I'm Only Bleeding), The Ballad of Easy Rider)使われている。後者のほうは映画イメージに合うハードなもので、大変良い。映画サントラにしか収録されていない点が少し残念。
プロデューサーにテリー・メルチャーが戻ってきたよ!
Roger McGuinn: 12-string guitar/synthesizer/vocals
Gene Parsons: drums/guitar/banjo/vocals
Clarence White: guitar/vocals
John York: bass/vocals
producer: Terry Melcher
associate producer: Jerry Hochman
engineer: Jerry Hochman
01. Ballad Of Easy Rider- Roger McGuinn
(イージー・ライダーのバラッド)
リードボーカルはマッギン。
映画「イージーライダー」で使われた、シンプルな別バージョンも存在する。
そちらに比べるとちょっと綺麗で整いすぎている印象がある。どちらも好きだけど。
歌詞の一部をディランが書き、マッギンが素晴らしい作品として仕上げたという経緯が有るこの曲。
なぜマッギンを指名したのか?マッギンはどういう気持ちで曲を作ったのか?いろいろ気になる。
02. Fido - John York
(ファイド)
リードボーカルはヨーク。途中でたいこソロが入ったり、他のバンドの曲みたい。楽しい。
この曲が出来たいきさつも面白い。
03. Oil In My Lamp - Clarence White / Gene Parsons (Traditional)
(オイル・イン・マイ・ランプ)
リードボーカルはホワイト(初!)。ちょっと鼻声。
自分のギターの音と良くからむ声。
04. Tulsa County - Pamela Polland
(タルサ・カウンティ)
リードボーカルはマッギン。心地よいカントリー。
05. Jack Tarr The Sailor - arr. Roger McGuinn (Traditional)
(船乗りジャック・ター)
リードボーカルはマッギン。マッギンの好きなえげれすのトラッドだよ。
演奏もボーカルも変化をつけてあって面白い。
06. Jesus Is Just Alright - Arthur Reynolds
(ジーザス・イズ・ジャスト・オールライト)
リードボーカルはマッギン。ゴスペル調。
07. It's All Over Now Baby Blue - Bob Dylan
(イッツ・オール・オーヴァー・ナウ、ベイビー・ブルー)
リードボーカルはマッギン。ターン・ターン・ターンのアウトテイクから数えると二度目のカヴァー。
08. There Must Be Someone (I can turn to) - Cathy Gosdin / Rex Gosdin / Vern Gosdin
(ゼア・マスト・ビー・サムワン)
リードボーカルはジーン・パーソンズ。
ゴスディンバージョンも聴いたことあったけれど、最初同じ曲だと気付かなかった。
嫁と子供に逃げられ、悲しみにくれながら作った曲だと思うと、こっちのアレンジのがいい。
09. Gunga Din - Gene Parsons
(ガンガ・ディン)
リードボーカルはジーン・パーソンズ。顔に似合わない爽やかな歌声を聞かせてくれる。
妙な浮遊感のあるミックスに聴こえるんだけどなんでだろうか。
10. Deportee (Plane wreck at Los Gatos) - Martin Hoffman / Woody Guthrie
(ディポーティ)
リードボーカルはマッギン。歌詞は悲しいのに、曲とボーカルは穏やかに語りかけるようで不思議。
この曲好き。フェードアウトも良い。
11. Armstrong Aldrin And Collins - Zeke manners / Scott seely
(アームストロング、オルドリン&コリンズ アポロ11号の宇宙飛行士をたたえる歌)
リードボーカルはマッギン。最後にへんなの入れてくるのがバーズ。
--- Bonus Tracks ---
12. Way Beyond The Sun - arr. Roger McGuinn (Traditional)
(太陽の彼方)
リードボーカルはヨーク。ここでの声が少しジーン・クラークに似ているせいか、初期バーズの曲っぽく聴こえる。転がすようなギターが印象的。
13. Mae Jean Goes To Hollywood - Jacson Browne
(メイ・ジーン・ゴーズ・トゥ・ハリウッド)
リードボーカルはマッギン。おっ、ジャクソン・ブラウンの曲だ。
このアルバムに合ってる曲だと思うのに、アウトテイクだなんてもったいない。
14. Oil In My Lamp - Clarence White / Gene Parsons (Traditional)
(オイル・イン・マイ・ランプ)
リードボーカルはホワイト。(多分)
03の別バージョンで、そちらよりアップテンポ。癖のない声。
15. Tulsa County - Pamela Polland
(タルサ・カウンティ)
リードボーカルはヨークで、04の別バージョン。こちらのほうがすっきりとした聴き心地で、良い。違和感無い。
16. Fiddler A Dram (Moog experiment) - arr. Roger McGuinn (Traditional)
(フィドラー・ア・ドラム)
リードボーカルはマッギン。実験的な曲かな?楽しげでいい。
17. Ballad Of Easy Rider - Roger McGuinn
(イージー・ライダーのバラッド)
リードボーカルはマッギンで、01の少し長いバージョン。
18. Build It Up - Clarence White / Gene Parsons
(ビルド・イット・アップ)
インスト。そのあとに、ラジオCMが収録されている。