マーケティング提案の際によく出てくる「前段」という言葉が気になる。


あんまり好きな言葉ではない。意味合いがゴチャゴチャ混同される感じで


流通しているのが好きでない、という感じだろうか。


いくつか理由はある。


1つ目は、明確な戦略提示の部分を、その後に続く具体案の露払い的な扱いで軽く語る人が多い。


戦略価値を貶めるように、聞こえる。若手の営業が言うとイタイ(よく見る光景だ)。


2つ目は、やっぱり「前段」が出てきたのを見るとき。規定演技とでもいうのか。


つまり、「すでにある与件や、データをきれいに組み合わせまとめた、マーケティング風な書き物」を


見たとき。ああ、前段だ、と思う(笑)。


3つ目は、決まった答え、例えば、ソリューションが決まっている時や


クリエイティブやコピーにつなぐ、落とし込む、辻褄合わせや、後付けロジックの書き物を見るとき。


そんな文脈で仕事が進んでいるとき。ああ、前段だ、と思う(笑)。


クリエイティブに限らず、答えが決まっているときの流れとしては、「前段」が意味を持ち機能する。


これは、「前段」として意味あると思う。


まあ、2とか3は、特に3は「前段マーケティング」と名前をつけられるな。


3の場合は、サクッと進んでいれば、むしろ職人的で、こ気味良かったりもするね。


仕事のゴールに応じて、必要であるのだが、私としてはドキドキするマーケティングの仕事ではないな。


私はマーケティングと営業を行ったりきたりしてますが(今は2往復半したのかな?)、


マーケターやストラテジストの仕事は、


「新しい価値の設計提示やコミュニケーション(あるいはビジネス)全体の骨格を決める軸と展開の提示」


だと思う。


そうした仕事をいつも目指したい。


まあ、注文に応じて、後付け前段を量産したり、ということもあるかと思う。


それから、きれいにまとめる書き物と本質的戦略をゴッチャにされる「前段」を


書いている方も、いいわけでない。


そういう浅薄な見方や言い方をする人は、マーケターといい仕事にならないし、育てられない。


「新しい価値の設計提示やコミュニケーション(あるいはビジネス)全体の骨格を決める軸と展開の提示」で

顧客の課題に応えているか、さらには顧客の期待を超える価値提示と驚きあるソリューションを


提示しているか、という本論が重要。


そういう姿勢で対処すると、自ずから、「前段」論は吹き飛ぶ。


そんな気持ちで仕事してます。


前段、前段、ゴチャゴチャにしてあんまりいわないでね(笑)