今年もVOLVICの世界キャンペーン、「1ℓfor10ℓ」キャンペーンが始まった。
VOLVICの売上の一部がユニセフのアフリカの井戸づくりとメンテに充てられて、
アフリカの飲料水確保に役立つ、アフリカに笑顔をもたらす、というキャンペーン。
VOLVICを買うことだけで、世界的課題となってきている、水資源の供給に
草の根から貢献できる、という気持ちを対象にしたもの。
社会貢献を目的とした「コーズマーケティング」という手法です。
1000商品発売して3つしか残らない、過酷な飲料業界で、継続性&独自性高いブランドを
つくる上でいいキャンペーンだなと思います。
VOLVICは好きな商品なのですが、それでもモヤモヤした違和感あります。
「水をフランスで掘って、ペットボトルに詰めて、船で運んで、日本で流通させて、
販売して、そのお金の一部が社会貢献になる」というすごくお金のかかるバリューチェーンへの
違和感が残るんだよな。
上記のバリューチェーンには、
・水資源確保が世界的課題になってきている(水そのもの)
・石油資源の高騰が世界的課題になっている(燃料費、輸送費、ペットボトル)
・途上国の水、食料問題が注目を集めている(中のダノンという先進国の世界的食品メーカー)
といった現代的事象が全部入っていて、社会的貢献をする、喚起するために、
多大なお金がかかっていることが、私に微妙な感情を引き起こしてます。
もちろん、アフリカへの井戸供給は積極的に関与したいし、貢献してる知人もいる。
自社だけでなく、ユーザー巻き込んだ社会的関心を引き起こすいいキャンペーンであると思います。
企業の社会的責任の行動としても重要。
でもなんか違和感。
これが、これまでだったらいいキャンペーンだなで、なんとなくスルーしてしまいそうなモノでしたが、
今のような資源問題への関心が高まっているタイミングでは、慎重なコミュニケーション設計が
必要だな、と感じました。本気の貢献の示し方、社会のコンテクストとのバランス。
私だけか?
(参考)
日本で、ミネラルウォーターは過去5年間で市場規模が倍増した売れ筋商品だそうです。
週刊ダイヤモンド・オンラインの6/2付け
「ミネラルウオーター乱売再突入 清涼飲料業界が迎える「寒い夏」」
http://diamond.jp/series/industry/10016/
上位ブランドの寡占化が進む飲料業界。今後の合従連衡の流れを予見してます。
めぐりめぐって広告コミュニケーション業界にも影響ありますね。