3/18(火)の日経ベンチャー面で「生き残れるか ネット広告仲介」の大きめな記事があった。


「電・博」進出 系列化進む マス媒体連動・CM級表現力… 新興、総合力に弱さ といったリード。


しかし、タイトルやリードに課題が象徴されているな。


「仲介」か「総合力」か。


まず、記事と写真に内容以上に驚いた。1枚の写真ビジュアルの力って大きいな。


電通傘下に入ったことに対して、オプト鉢嶺社長の悔しさのにじむコメントや、

「電通の軍門に下る」「オプトの苦渋の選択」といった表現。

記者会見時の鉢嶺社長の忸怩たる表情(に見える)の写真。


日経に掲載することの意味を考えるとなんだか、ちょっと意地悪な意図が感じられなくもない。

う~ん、ここまで書かなくても、とは思うものの、記者やアナリストからするとこうだろう。


記事のトーンは、ネット広告の拡大とともに成長してきたネット広告各社が

即効性の高い販促領域のネット広告から、統合的なマーケティングを意識した、

クロスメディア提案で、総合系大手に太刀打ちできず、再編されていくというもの。 


ネット企業で広告チャレンジをしている私自身も直面・格闘している現実も書かれている。


ネット広告になじみやすい業種や広告主の案件が一巡したり、ネット広告の普及で、

大手クライアント(得てしてマス広告を多用してきた、食品や消耗品、車などの耐久財)からは

「総合力」やネット広告の専門性を越えた、クロスメディアアプローチと

クリエイティブ力が求められる、というのはホントに日常的に直面している現実だ。


電通は、マスのバイイング力、プランニング、クリエイティブといった総合力は強く、

そして何よりもキャッシュリッチ。しかし、ネット広告領域での機動性ある提案はまだまだ弱い。

それゆえ、自前でというより、時間買った。オプトという有力プレーヤーを買った。

以前の資本レベルでは、シナジーは生じなくて、TOBに踏み切ったのだろうと思う。


課題はまさに、媒体の仲介業ではなくて、今、そしてこれからのマーケティングを創っていく、

コミュニケーションデザイン力。これが総合力だと、私は思っている。


自分に言い聞かせる意味も込めて。