2015年9月20日19:05キックオフ@うまかな・よかなスタジアム 天候:曇

熊本 0ー0 京都


【京都メンバー】
GK清水圭介。DF右から石櫃洋祐、菅沼駿哉、山口智、下畠翔吾。MF右から伊藤優汰、田森大己、原川力、駒井善成。FW大黒将志、宮吉拓実。
SUB:杉本大地、磐瀬剛、内田恭兵、キム・ナミル、佐々木勇人、フェホ、有田光希
監督:石丸清隆

(選手交代)
69分、宮吉→有田:ポジションそのまま。
81分、駒井→佐々木:後半途中から駒井が右で、伊藤が左に。佐々木はそのまま右へ。
87分、伊藤→フェホ:フェホがFWに入り、有田が中盤左へ。


【熊本メンバー】
GKシュミット・ダニエル。DF右から養父雄仁(80分:→岡本賢明)、園田拓也、鈴木翔登、黒木晃平。MF右から中山雄登(69分:→藏川洋平)、上村周平、高柳一誠、清武功暉(86分:→巻誠一郎)。FW嶋田慎太郎、齊藤和樹。
SUB:畑実、大谷尚輝、上原拓郎、常盤聡
監督:小野剛


【審判団】
主審:上村篤史 副審:関谷宣貴、津野洋平


【得点】*サイドは攻撃側から見て
なし

【警告】
熊本:中山(16分)、高柳(76分)
京都:有田(89分)



シルバーウィーク突入に伴い、今節からは1週間で3試合の連戦期間となります。
京都の連戦初戦はアウェーでの熊本戦となりました。
熊本は一時順位を下げて、降格圏近くにいましたが、ここ最近はしっかりと勝点を積み上げている印象。
今節は、前回対戦時 に得点を決められたクォン・ハンジンが出場停止とのことで、CBにはボランチでの出場が続いていた園田が下がり、上村がボランチでのスタメンとなっていました。
対する京都は、バヤリッツァがコンディション不良とのことで山口智が久しぶりにスタメン。また、有田も前節で少し足を傷めたとのことでベンチスタートとなり、大黒が入りました。



攻撃の手数を増やせずドロー


熊本はサイドに流れるFWに長いボールを当てるところから攻撃を開始させます。
一発で跳ね返すことができれば楽だったのですが、バヤリッツァがいないこともあって、京都の守備のパワーは落ちていたでしょうか。
また、山口智も負傷明けで久しぶりの出場でしたし、もともとそれほどスピードがある選手でもないので、ライン設定は低めになっていた印象です。

一方、ラインが低めになっていると攻撃時にどうやって前に運ぶかというところが焦点になってきますが、熊本守備陣がよく制限をかけていた上、パスコースに入る動きも少なかったために中央から崩していくことはほとんどできませんでした。
バヤリッツァ不在の影響はここでも出ていたでしょうか。
原川がよくボールに絡み、キープ力を活かしながら押し上げようとしていたのですが、FWも絡めた崩しはほとんどできず。
大黒も宮吉もポストワークは安定しませんでしたし、有田もいないためにアバウトなボールで相手を押し下げることもできず。
結局、攻め手は伊藤と駒井のドリブルに頼ることになりましたが、駒井はボールフィーリングも良くなく、伊藤は判断の硬直化とプレーの粗さを見せてしまいました。

と言っても、全然チャンスがなかったということではなく、カウンター気味にサイドからチャンスも創っていたのですが、最後のシュートシーンではあまり余裕がありませんでした。
シュミット・ダニエルの好セーブに阻まれたところもありましたし。

後半は互いに交代選手を繰り出しつつ、カウンターの仕掛け合いになりました。
しかしお互い決定打は出せず、スコアレスドローでの結着となりました。



先に押し切ってしまうことと、ラインを下げられても押し返すこと



これで3戦連続のドローゲームとなりました。
得点経過は異なりますが、質的には前節・千葉戦 と近いというか、チームの現在位置を表すものだと思います。

相手のロングボールが増えてくると、スピードに不安がある分、守備陣はどうしてもラインを下げてしまうこと。
攻撃はだいぶ洗練されてきたものの、間延びすると押し返すための手段は限られてくること。

相手のスタイルとの相性もあるのですが、現状を考えると、こちらから仕掛けて相手に押し下げられてしまう前に得点を奪い、そこからはカウンター狙いにシフトしていくことがやりやすいとは思います。
もちろん相手があってのことなので、毎回そうなるわけでもなく。

そうなると、攻め手をいかに増やしていくか、あるいは変化をいかに付けるかになります。
しかし現状ではまだ物足りないところ。メンバーが変わるとやりづらさを感じさせるのは天皇杯でもあったところ。
また、交代選手も幅が限られています。フェホを入れて意識的に中央でのハイボールを増やすくらいでしょうか。

一方で良くなってきたなと思うのは、『無理をするべき状況をわきまえるようになった』ことでしょう。
京都はどうにも幼さがつきまとうチームであるのですが、点を取りたいがあまり、効果的に運べていないにも関わらず必要以上に人数を前方に掛けてしまう傾向にありました。
それによって無駄にカウンターに晒されるシーンが増えてしまうのですが、今節はそういったシーンはほとんどなく。
状況を考えると、一見「無理攻めして勝ち点3を」と思いがちなのですが、しっかりと勝ち点1を積み上げることも順位的には重要で。
負けている場面では一気にリスクを掛けるべきであり、それが強く出せたのが前節でしたが、今節のような試合展開だと勝ち点1を確保した上で勝ちを狙いに行くことが重要。
その意味で、最後までリスク管理をしっかり行い、守備の集中を切らさなかったことは評価すべきでしょう。実際、久しぶりの無失点試合ですしね。
特に後半は熊本も攻撃的なサイドバックの攻め上がりを中心に圧力を掛けてきていましたから。

もちろん3戦連続のドローゲームで、満足すべきでないのは確か。
順位も詰まっているものの19位ですし、余裕はそれほどありません。
とは言え、現状直面している課題を打開するためのトライは続ける必要があります。
連戦中には困難さもありますが、この3連戦でどう成長につなげるでしょうか。

次は中2日。ホームでの岡山戦です。



―2015シーズン通算記録―
9勝8分15敗 勝ち点35 36得点 44失点
今節終了時点:19位

【ゴール】
14点:大黒
4点:有田、宮吉
2点:石櫃、ダニエル・ロビーニョ、バヤリッツァ、伊藤
1点:山口、駒井、菅沼、奥川、佐々木

【アシスト】
4アシスト:駒井、伊藤
3アシスト:キム・ナミル
2アシスト:石櫃、宮吉、有田
1アシスト:山瀬、内田、大黒、佐々木、原川、磐瀬

【累積警告】
3枚:ダニエル・ロビーニョ、磐瀬
2枚:山口、大黒、和田、駒井、バヤリッツァ、内田、有田
1枚:佐々木、山田、宮吉、菅沼、キム・ナミル、ファン・ジンソン、伊藤、原川、石櫃


*キム・ナミル、バヤリッツァ、石櫃は累積警告4枚による出場停止が一度あり
*宮吉、菅沼、磐瀬は一発退場による出場停止が一度あり